この数字は、2017年の1年間にPC動画広告(インストリーム広告)を出稿した広告主数である(ビデオリサーチインタラクティブ調査)。2016年の広告主数に比べて24.4%増加しており、2,330社のうち過半数の1,278社は、新規に動画広告を出稿した広告主だった。この結果から、広告分野においてもテキストや画像の時代から「動画」へと移行しつつあることが窺える。
業種別に2017年の動画広告出稿社数のシェアをみると、「旅行・観光」や「レジャー」、「官公庁」などを含む「他のサービス」が32%と最も多くを占め、次いで「製造業」25%、「IT業種」12%が続いている。シェアについては、それ以外の業種も含め、前年の傾向とほとんど変わらなかった。また、PC・スマホ別のディスプレイ広告出稿社の業種別シェアと比べてみると、PC動画広告の方が相対的に「製造業」のシェアが高く、逆に「専門店(小売)」のシェアが低い傾向が見受けられた。
2017年に出稿されたPC動画広告(インストリーム広告)の推定出稿量の広告主別ランキングをみると、 「アマゾンジャパン」が最も多く、ついで「日産自動車」が続いている。 以下、「Netflix」 「Perform(DAZNを運営)」といった動画配信サービス事業者が上位にランクしている。また、PCの動画広告・ディスプレイ広告とも推定出稿量が上位20社に入っているのは、「アマゾンジャパン」「日産自動車」「ソフト バンク」「トヨタ自動車」「楽天」「ヤフー」の6社である。
「You Tube」「GYAO!」「ニコニコ動画」といった動画コンテンツでは、必ずと言っていいほど動画広告も同時に配信されているが、基本的に料金が発生するのは、ユーザーが自ら動画広告をクリックして再生した場合だけだ。たとえば、You TubeのTrueView動画広告は完全視聴単価方式が採用されており、広告がスキップされたり、途中でブラウザを閉じたりして、広告の視聴が中断された場合は、課金されない仕組みになっている。
ユーザーはスマホを通じて、確実にTVからWebへ流れてきており、とくに若年層は、日常的に動画コンテンツを利用している。動画広告は感覚的にTVと変わらないため、抵抗感が少なく、また動画広告のそばにあるボタンやリンクをクリックすると、すぐに広告先の企業サイトに飛ぶことができるため、TVより購入ルートが最短で、費用対効果も期待できるというメリットがある。
今後、マーケティングに動画広告を導入することが当たり前の時代になっていくことは間違いない。