menu

経営者のための最新情報

実務家・専門家
”声””文字”のコラムを毎週更新!

文字の大きさ

戦略・戦術

第274号 820億円

社長のための“儲かる通販”戦略視点

 この数字は、ファーストリテイリングが設定している2019年度の国内ユニクロのEC売上高である。国内ユニクロ事業におけるEC売上高は、ここ数年、前期比30%前後で推移し、その売上構成比は7.3%(前期は6.0%)に上昇。2019年度のEC売上高についても、引き続き30%増の目標を掲げている。

 EC事業の好調は、アプリ会員の増加によりリピーター数が拡大したこと、そしてECサイトで注文した商品を店頭で受け取ると、送料が無料になる配送サービスを2018年4月に開始したことが大きい。ECサイトを利用した場合、購入金額が5,000円未満だと配送料が450円かかるが、店頭受取サービスを利用すると、購入金額に関わらず送料無料となるのだ。

 店頭受け取りサービスの利用者は、注文件数の約1/3まで増加しており、EC売上を押し上げている。季節変動に左右されがちな店舗に比べて、セール頼みによる減収減益になる心配が少ないEC事業の重要性は増すばかりだ。

  また、オンラインショップの決済手段として、 「Apple Pay」を導入したり、人工知能(AI)を活用したチャットボット「UNIQLO IQ」の運用も寄与している。「UNIQLO IQ」はアプリの中で起動するAIコンシェルジュで、会話形式で商品情報や着こなしの検索、店舗の在庫確認、オンラインストアでの購入などをサポートし、よくある問い合わせへの対応や、必要に応じてカスタマーセンターのオペレーターへの接続も行っている。

 EC専用の有明倉庫に在庫がない場合は、地域倉庫からの配送もでき、店舗・倉庫・ECの在庫共有化により、オンラインとオフラインの統合を加速させている。ユニクロは、企画・製造・物流・販売のすべてを一貫して行っている強みがあり、柳井正会長兼社長は「早期にEC比率30%を目指す」と自信を見せている。

 海外事業も好調なユニクロは、グローバルにおいても、EC比率を現在の9%から2022年度には2倍以上にすることを表明しており、EC事業を成長ドライバーに、スペインの「ZARA」やスウェーデンの「H&M」を急追し、世界ナンバーワンの座を狙っている。  

 

第273号 いまこそ越境ECで中国市場にチャレンジを前のページ

第275号 「文字」から「動画」の時代へ次のページ

関連記事

  1. 第152号 従業員満足がもたらす顧客満足

  2. 第175号 半径200m

  3. 第157号 900兆円

最新の経営コラム

  1. フランスのド・ゴールは嫌われ者のリーダーシップを体現した「決断王者」である

  2. 第150回『日野晃武道語録 人生の達人になる!』(著:日野 晃)

  3. 第146話 銀行がチェックする取扱注意の勘定科目

ランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

新着情報メール

日本経営合理化協会では経営コラムや教材の最新情報をいち早くお届けするメールマガジンを発信しております。ご希望の方は下記よりご登録下さい。

emailメールマガジン登録する

新着情報

  1. 採用・法律

    第2回 『この叱責がパワハラにあたるの?!』
  2. マネジメント

    逆転の発想(6) 不利を有利に変える(チャーチル、毛沢東)
  3. 社員教育・営業

    第18講 カスタマーハラスメント対策の実務策⑤
  4. 人事・労務

    第1講 ウェルビーイング経営のススメ―社長は今こそトップメッセージを―
  5. 教養

    第88回『きちんと理解するイギリスの歴史』(著:内藤博文)
keyboard_arrow_up