天気に、病気に、景気。
予測がつかないことを表す3つの「気」。
とくに世界経済は、不透明な時代に突入していて、本当に先行きが読めません。
金融など、ちんぷんかんぷんな私でも、
・リーマン・ブラザーズの破綻。
・AIGが、アメリカ政府が管理下に。
・米貯蓄金融機関大手のワシントン・ミューチュアルが破綻。
・金融大手シティグループに公的資金を注入。
などと聞くと、なんだかすごいことが起こっている、という感じがします。
最近では、アメリカ三大自動車会社、フォード、GM、クライスラー(いわゆるビッグスリー)が経営悪化して、アメリカ政府が救済するのしないの、日本でも、トヨタ、ソニー、キャノンといった大企業でリストラの嵐、といったニュースが聞こえてきます。
2009年には、金融経済の実体経済への影響が大きくなり、中小企業を主体とする日本経済には、正念場の年になると言われています。
来年は、まさしく「動揺」を象徴する年になりそうですね。
動揺とは「気」で言うと、「陰」と「陽」との間をエネルギーがはげしく行ったり来たりするということです。
●陰:臓(肝臓、心臓、膵臓、肺、腎臓) 月 夜 左手 感情 右脳
○陽:腑(胆嚢、小腸、胃、大腸、膀胱) 太陽 昼 右手 思考 左脳
「陰」を女性性、「陽」を男性性と捉えると、これは、女と男との対立。
夫婦ゲンカや、パートナーとの問題も増えるかもしれません。
●陰:芸術 イメージ・直観 受動性 伝統 経験 過去と現在のつながり
○陽:科学 事実・目的意識 積極性 進歩 道理 現在と未来のつながり
先行き不透明な時代に、過去と経験に智慧を見出すのか、未来と新技術に活路を見出すのか? いずれにしても、何を羅針盤としてよいのやら、「陰」と「陽」とに価値観がぶれる時代になって行きそうです。
私自身は、しかし、こんな時代にこそ、楽観するように心がけています。
「元気」という言葉がありますが、「気が元にもどる」と書いて、元気です。
+と-があって初めて電気が流れるように、なにごとも「陰」と「陽」とのエネルギー交流があって、打開への方向に向います。
気とは循環するもの。滞りなく循環するさまが「元気」、と東洋哲学では教えています。
元気とは、むりやりにするものではありません。
実は、「自分の実態を知る」ということなのです。
膨らみすぎた金融経済を、元に戻すのも元気。
忙しすぎて体裁ばかりの仕事ぶりを、元に戻すのも元気。
無理をしながら、どっちかに偏って硬直した状態が続くと、気は病んで「病気」になります。
いま、鬱(うつ)が社会的問題になっていますが、これももとは、「鬱気(うっき)」で「鬱血(うっけつ)」と同じく、気が鬱滞(うったい)している様を言います。つまり、気が硬直しているわけです。
気は、陰と陽との間を行き来しながら、元に循環するのが自然です。
来年は確かに「陰」と「陽」のエネルギー交流がはげしくなるでしょうから、安定しない「不安」な時代となるでしょう。でも、これを「創造的な不安」と捉えるか,
そうでないかが、これからの時代の視点となるように思います。
ある出版業界に強いコンサルタントさんに聞いたところでは、今売れている本に『日本でいちばん大切にしたい会社』(坂本光司著・あさ出版)という本があるそうです。
私も早速、取り寄せて見ました。
経営の目的:
1 社員とその家族を幸せにする
2 外注先・下請企業の社員を幸せにする
3 顧客を幸せにする
4 地域社会を幸せに、活性化させる
5 株主を幸せにする
とあって、それを実践している多くの会社が紹介されていました。
「うー」と、ちょっと泣けてきてしまいました。たしかに「大切にしたい」。
陰陽でもうひとつ付け加えると、
●「陰」は、人への関心
○「陽」は、物への関心
です。私は、2009年から、人への関心、女性性の時代が始まるように感じています。
もちろん男性が淘汰されるぞーなんてことではなく、女性が男性によって洗練され、より光り輝くところに、新たな価値観が生まれてくるように思うのです。
いちばん身近な人への関心。
女性が元気でハツラツとした国。
そこに、この経済不況を乗り切っていく大きなヒントがあるのかも知れませんよね。
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