「紆余曲折はありましたが、何とか第4回目の会議を終えることができました。
今では前月実績と、3カ月先の予定を立てて発表しています。
しかし、回を重ねるにつれて、気になることが出てきました。
それは、わが社で立てている年初の目標を、
この経営会議にどう反映させればよいのかということです。
私どもの会社では、年初に経営計画発表会を行っています。
この数字には、わが社の命運がかかっており、何としても達成しなければなりません。
毎月の経営会議では、前月実績を見ながら、現状に即した予定を立てています。
この予定を12カ月分足しても、到底、年間の経営計画を達成できそうにありません。
今後どのように、会議を進めていけばよいのでしょうか?・・・」
厳しい状況に、危機感を持つ社長は悩んでいました。
下の図は、11月の経営会議の様子です。
そこで用いる表では、「10月実績」と「10月予定」だけでなく、
新たに「10月経営計画」という数字を挙げています。
「10月予定」は、9月に立てた10月分の予定数字です。
一方、「10月経営計画」は年初に立てた10月の計画数字です。
つまり、2つの明日を追いかけるのです。
経営計画の数字は、年初から時間も経っているので、現状に合わなくなっている場合もあります。
しかし、それは達成すべき重要な数字です。
そこで、年初の目標数字と、現状を考慮した目標数字の両方を挙げ、実績と比較検討することにしたのです。
こうした会議では、図の①のように、
「前月の実績は90で、予定に比べて10、経営計画に比べて20低かった」という発表になります。
さらに、「10月実績」を踏まえて「11月予定」と、年初に立てた「11月経営計画」を達成するために
どうすればよいのかを述べます。
その発表を受けて、会議リーダーからは、
「10月経営計画から離れているぞ。このままでは、年度計画を達成することができない。
売上が少なく暇だったら、忙しい部門へ出稼ぎに行け。自分一人でジタバタしても何もできないぞ。
メンバー全員の知恵を結集しなければ、計画目標を達成できるはずがない。
そのために部門会議をもっとしっかりやれ!」
と、厳しい突っ込みが入ることになります。
この経営会議の後、部門の責任者は、メンバー全員を集めて部門会議をすることになります。
そして、経営計画を達成するためにどうすればよいのか、メンバー全員の意見を集約します。
そこで最も大切なことは、
部門の責任者が、社長のように熱い思いでメンバーに語りかけることです。
この思いがメンバーに伝わってはじめて、全員が利益に向って走り出し、その結果、
経営計画を達成することができるようになるのです。