大画面で視覚に訴える効果的なプレゼンテーションを!会議室にプロジェクターは珍しくない時代になりましたが、新規で導入を検討されている企業も多い事でしょう。
既に導入済みの場合でも、プロジェクターはここ数年で、性能も機能も大幅に進化しているので、数年経過していれば、「買い換え」によって、効果アップ、効率アップに繋がるかもしれません。
今回は、最新の仕事用データプロジェクターのトレンドと選び方を中心に、プロジェクターならではの注意点や使いこなし術をご紹介します。
1. 機能トレンド より明るく、より大画面に!
・ 短焦点:
ここ最近のトレンドは「短焦点」。端的には、投影距離が短くても、大画面が投影できる機能です。例えば、投影距離が30cm~60cm程度で80インチもの大画面が投影できたり、さらに、超短焦点と呼ばれるタイプは、投影する壁面にピッタリと寄せた状態で、80インチ超の大画面投影が可能です。
今まで、設置場所や投影距離が確保できなかった・・・という環境におすすめです。
製品例:
■NECディスプレーソリューションズ NP-U300XJD
http://www.nec-display.com/jp/projector/viewlight/u300xjd.html
– 32cmで85インチ投影
– 3,000 ANSI ルーメン
– 実売価格15万円前後
■サンヨー LP-XL51A
http://jp.sanyo.com/projector/products/xl51a/feature.html
– 8cm で80インチ投影
– 2,700 ANSIルーメン
– 実売価格45万円前後
・小型軽量で持ち運びできる!
小型軽量のプロジェクターなら、会議室から会議室への移動はもちろん、客先へ携帯する事も可能です。最近、手のひらサイズのプロジェクターも登場していますが、明るさは据え置き型に比べて二桁低く、照明を落とした部屋でも20~30インチ程度の投影が限界です。
製品例:
■カシオ XJ-A255V
http://casio.jp/projector/greenslim/xj_a255v_250v/
– LED&レーザー光源で明るく小型軽量。
– 薄さ43mm、2.3kg
– 3,000 ANSIルーメン (ビジネス卓上用として最高峰)
– 実売価格20万円前後
■3M MP160
http://www.mmm.co.jp/vsd/pocket_projector/mp160.html
– ポケットサイズ。300g
– 30 ANSIルーメン
– 実売価格4万円前後
・明るさ:
プロジェクターの弱点は、外光や照明のある明るい環境で映像が見辛くなる事ですが、最近の製品は、数年前の製品に比べて明るさがアップしていて、明るい環境でも使用に耐え、用途も広がっています。
プロジェクターの明るさアップは、明るい環境でも視認性が高まる他、同じ画面の明るさなら、より大画面投影できる効用があります。
今お使いのプロジェクターが暗くて見え難い、あるいは、もっと大画面に投影したい・・・なら、より明るいプロジェクターの導入をおすすめします。プロジェクターの明るさは、カタログに記載されている「ANSIルーメン」で比較でき、数値の大きな製品が「明るい」映像を映し出せる製品です。
・パワーポイント再生、ネットワーク機能:
パワーポイントのデータをUSBメモリやSDメモリーカードに入れ、プロジェクターに挿入すると、パソコン無しでスライドが映し出せる機能も定番となっています。また、離れた場所にあるパソコンから、ネットワーク経由でプロジェクターから投影できる機能もあります。パソコンの持ち運びを減らせれば、リスクの低減、時間の短縮に役立つでしょう。
2. プロジェクターの注意点。思わぬ出費に?
一般的にプロジェクターは高圧水銀ランプを使用していて、いくつかの注意点があります。
・寿命:
ランプは消耗品で、寿命があります。製品や使用状態によって異なりますが、概ね3,000時間程度でランプの輝度が半減し、交換が必要です。ランプの価格はメーカーや製品によって開きがありますが、2万円~6万円と安くなく、場合によっては、本体価格の5割を超えるケースもあります。プロジェクター購入時は、交換ランプの価格も確認し、ランニングコストとして見込んでおきましょう。
・ランプのトラブル:
ランプの寿命は先述の通りですが、扱い方を間違えると、寿命を極端に縮めたり、ある日突然ランプが点灯しなくなるトラブルも発生します。思わぬ出費にならぬよう、以下の注意を。
– 強い衝撃を与えないよう、丁寧に扱う。
– 使用後は、ランプのクールダウンを待ってからコンセントを抜く。
– オープンスペースに設置し、ランプの冷却を妨げない。
3. 映像装置選択のアイデア
・ LED/レーザー光源 のプロジェクター:
LEDやレーザーを光源とするプロジェクターが登場し始めました。点灯直後から明るく、光源の寿命が長くて、クールダウンも不要とメリットが沢山あります。プロジェクターを多用するユーザーにおすすめです。
・ テレビの利用も選択肢に:
50インチ程度までであれば、テレビの利用をおすすめします。最近では、低価格化が進んでいますし、何より、明るい場所でも映像が鮮明と言うメリットがあります。また、HDMI接続を利用すれば、ケーブル一本の接続で、映像に加え、テレビから音声を出す事も可能です。
4. プロジェクター 使いこなし術
プロジェクター映像の黒は、スクリーンの色そのものです。通常、白地のスクリーンや白い壁に投影しますが、暗い環境であれば黒は沈んでメリハリのある高画質に、明るい場所では、黒が浮き、色も薄く洗い流されて視認性が悪くなるという訳です。
よって、プロジェクターを利用する際は、少なくとも、スクリーンが白々と見えないよう、外光を遮光したり、近くの照明を消灯するなどの配慮が必要です。
手元に明かりが必要な場合は、ダウンライトなどを利用し、スクリーンに光が入らないようにすると、映像の見え方に悪影響を与えません。
また、予算が許せば、明るく見える「パール」や「ビーズ」といった特殊なスクリーンも活用しましょう。パールは、チューインガムの銀紙のような素材のスクリーンです。ビーズは、夜間、道路で光るセンターラインやキャッツアイのような素材のスクリーンです。どちらも、一定方向に光を集中して明るく反射する特性を持っていますので、明るい環境もで、プロジェクターを利用できるチャンスが増えます。ただし、バールやビーズは、斜めから見ると極端に映像が暗くなる性質があるので、大勢でスクリーンを取り囲むような用途に向きません。導入には、専門家のアドバイスを受けましょう。
その他、明るい環境でも使える特殊なスクリーンの例:
DNPのJETBLACK (http://www.dnp.co.jp/jetblack/index.html)があります。60~80インチで20万円程度と高価ながら、その高価は、写真1の通りです。
【写真1】
実際の投影デモの様子。左半分は一般的なスクリーン。右半分は、DNPのJETBLACK。コントラストが高く、視認性が良い。