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人間学・古典

第十九話 「人生の大病は只傲の字なり」

中国哲学に学ぶ 不況は会社守成の好機

※本コラムは2000年代に井原隆一氏が書き下ろした「不況は会社守成の好機」全41話のコラムを再連載するものです。


人生の大病は只傲の字なり

この言葉は、明の王陽明がのべたものだが、人の一生で最も害をもたらすものは傲の一字である。

傲慢であれば、親にも不孝、君には不忠、友には不信を働くことになる。さらには自分に対しても、ブレーキさえ効かなくなるだろう。

古今東西を問わず破れた者のすべて、といえるほど傲病がその原因をなしているように思われる。

この例は昔に求めることはない。最近の大型小売店の行き詰まりなどにしても、そのもとをただせば思い上がり、傲慢という不治の病といえるだろう。

私のような、学歴なし、カネなし、地位なしという貧乏育ちともなると僅かな貯金ができても、最低の肩書きを持っても、天にも昇った気分になる。こうした初期症状のうちに、反省の鞭を心得ないと不治の病となる。

相当押えたつもりであったが、それでも銀行の本部課長になったときと取締役に就任した時の二回、傲病の初期症状を覚えた。課長当時のそれは、身分のない人達との交際で拭き去り、取締役のときのうぬぼれは、堅実、謙虚、倹約、憲法(道を守る)、研磨の五件なる者を自分に言い聞かせて沈静化し、退職後は百姓道楽に熱を入れ名札から遠ざかっている。

現在、傲慢を振舞う相手といえば野菜と果物だけとなっている。
それも、甘くない、水気が足りないなどの批判を受ける、これでは傲慢病も芽を出す暇もなくなってくる。

 ※栗山英樹氏から、本コラム井原隆一氏の「人の用い方」書籍と、井原隆一「人の用い方セミナー」収録講演CD版・デジタル版を推薦いただきました!

 監督の仕事は、選手の心を動かし、勝利の高みに導くことです。人をいかに用いて、信頼感を高めるか―――
その答えを求めて、私は井原さんの「人の用い方」のCDを5年間、毎日球場までの往復2時間、車の中で聴き、本をカバンに忍ばせていました。選手は勝利のために厳しい練習をしているわけですから、私は素振りの代わりが勉強だと思っています。

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