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- 社長の右腕をつくる 人と組織を動かす
- 第135回 『リーダーは改革型、マネジャーは改善型』
「リーダーを目指そう」という話をすると、
若い人たちは、「自分に関係ない」という顔をする。
「まだ新入社員だから、そこまでは考えられない」、
「部下はいないから」・・・というわけである。
しかし、それは間違いだ。
リードする対象は部下でなくてもいい。
仕事をリードしてもいいし、同僚をリードしてもいい。
あるいは、
周囲の雰囲気を盛り立てることもリードのひとつだろうし、
また、上司を説得することもリードといえるだろう。
肩書やキャリア、部下のあるなしではない。
要は、気持ちのあり方次第で、
誰でもリーダーになれる可能性をもっている。
おそらく、「リーダー」という言葉を聞いて皆さんが
最初にイメージするのは、課長や部長などの管理職だろう。
それが、勘違いのもとなのである。
そもそも、マネジャー(管理者)とリーダー(主導者)では、
メンタリティが違う。
マネジャーは、現状を受け入れることから始め、そこに改善を加えていく。
対前年比◯%アップ…というように、こつこつと実績を積み上げていく。
これに対してリーダーは、現状を否定し、新たなことに挑戦しようとする。
マネジャーを「改善型」とすれば、リーダーは「改革・変革型」と
言うことができる。
また、マネジャーは、人や金、情報などの経営資源を、
上手くやりくりしながら仕事を進める。
では、リーダーはというと、こうしたやりくりに加えて、
人の心を燃やす力がなければ務まらない。
人を駆り立て、方向性を示し、その方向に人々を導くのが、
本来のリーダーのあり方だ。
そしてもう一つ、大きな違いがある。
マネジャーはリスクを回避しようとするが、リーダーは、
ときには「計算されたリスク」を覚悟で打って出る
技量と度量を持ち合わせていなければならない。
では、「計算されたリスク」とは何か?
ビジネスは、タイミングが命である。
新商品は、競合他社よりも早く売る出す方がよい。
先行有利にもっていきたいからだ。
あるいは、他社との提携や合併にしてもそうだ。
こちらの条件が有利なうちに、
また双方の利害が一致しているうちに、
タイミングよく決断しなければならない。
前例のないことをやるとなれば、当然、リスクが伴なう。
それを承知のうえで、さらにどんなリスクなのかを予測し、
それによって起こる可能性のあるデメリットを計算したうえで、
あえて敢行する。
それが、「計算されたリスクを覚悟で打って出る」ということだ。