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健康

第14号 さらば、花粉症!

おのころ心平の ──社長のための「か・ら・だマネジメント」

 今日で3月も終わり。明日からいよいよ新年度です。

 期も変わってせっかく新鮮な気持ちで行こうと思うのに、あなたのカラダに持ち越しで残るものがひとつ。そう、花粉症です。

 4月はまだまだ花粉症の季節。もー、何とかならないか!と思いますよね。集中力を奪われ、ものごとにしっかり取り組めないのが、この症状のもっともイヤなところです。

 この3月末で会社の棚卸をするところも多いと思いますが、カラダにとっても冬から春は棚卸の季節なんです。1年間の総決算が行われ、この1年間でカラダに出入りしたものの帳尻が合わされる。

 中でも呼吸の決算は、花粉症にダイレクトに表れます。

 呼吸の決算?

 呼吸とは、吸って吐く行為。まさにエネルギーの出し入れ。そして、現代人は、とかく呼吸が浅くなりがちです。花粉症に悩む人の共通点を見てみると、ふだんの呼吸が吸う方が優位になっている人が多い。

 え? 吸う方が優位になるのが悪いのかって?

 呼吸は、吐く方こそが重要なんですよ。数々の「呼吸法」がそれを証明しています。どんな呼吸法を習っても、「吐く方を意識して下さいねー」と言われます。

 なぜなら、十分吐ききらずに吸う呼吸は、肺の上澄みの空気だけを出し入れすることになります。すると、肺の下の方の空気が滞留したままで、新鮮な空気になりません。

 何事も溜まったものは濁ったり腐ったりすので、微量ながら、不要物を肺の奥にためてしまうことになるんです。

 肺は、五臓の中でもダイレクトに外気に触れる臓器です。そのため、肺への直接的な刺激を少しでもやわらげるよう、空気は肺に入る前に、「鼻腔」という天然の空気清浄器を通って気道へと進みます。

 鼻腔は、上手に空気を加工し、あまり肺に負担のかからないようにして送り込む役割をしているのです。

 春は、冬に比べると空気にたくさんの情報を含むようになります。また、この時期は気温のアップダウンも激しいので、鼻腔の温度調節機能に、かなりの応用力が必要になります。ふだんから呼吸が浅かったり、胸部や背中上部に緊張を抱えている人は、この応用力がなかなか機能してくれません。

 肺としては刺激の強い外気の侵入はできるだけ避けたいので、入り口である鼻腔の段階で「とりあえず水で薄めよう作戦」に出ることになります。

 鼻水、鼻づまり、つーんとした鼻の奥の感覚とともに、だらだらと鼻水が止まらないような方は、一年を通しての呼吸の浅さや上半身の緊張といった習慣が、この時期に、鼻炎という症状で顕著になってしまうのです。

【エクササイズ】

 とにかく上半身の緊張をとりましょう。マッサージや、肩・腕の緊張をとる運動、ヨガ。

 肩口にのっかっているプレッシャーや焦りといった感情に目を向けることも大事です。

++++++++++++

 上記の呼吸の帳尻花粉症の場合は、春分(3月20日)までにだいぶおさまってききます。

 それ以降もしつこくとれない花粉症の場合は、肝臓がからんでいる可能性があります。

 冬から春の季節の変わり目、暦上は、2月4日の立春から4月16日までが春になります。東洋医学では、この期間は「肝臓」の季節。春は、肝臓の代謝能力が上がる季節でもあるのです。

 肝臓のからんでいるケースは、「食べすぎ」をきっかけに鼻炎症状が出るタイプです。

 胃腸で吸収された食べ物は、腸のまわりの毛細血管に取り込まれ、すべてがいったん肝臓に送られます。肝臓では、胃腸から取り込まれたすべての栄養分が加工され、代謝され、それが体循環に乗せられて、カラダのすみずみまで運ばれるというわけです。

 ところが、肝臓が何らかの理由で代謝能力を上げず、送られてくる食べ物を上手に処理できない場合、「ちょ、ちょっと待ってくれー」とサインを送ります。

 そのサインを受け取った胃腸では、胃腸の粘膜を肥厚させ、肝臓が処理しにくい物質に対して、ある種のアレルギー反応を示すようになるのです。

 さあ、これはたいへん。

 食事のたびに、腸粘膜でアレルギーが起こるようになり、それが全身の粘膜に波及して、鼻粘膜でもアレルギーが起こりやすくなるのです。

 目のかゆみがひどく、口や耳の中までかゆいような感覚を伴う鼻炎の方、花粉症から肌のアレルギーにまで発展してしまうような方は、この1年の間に、だいぶ肝臓にストレスを溜めてきたと思ってください。

 肝臓にたまりやすいストレスとは、

 1. 不完全燃焼の怒り、

 2. 評価されないことへの焦り、欲求不満

 3. 相手の価値観を受け入れない、

 4. いっぱいいっぱいで、ちょっとしたことにいらついてしまう

 です。

 【エクササイズ】

 とにかく食べすぎに注意。ゆっくりよく噛んで食べることを心がけましょう。

 慢性的な焦りや欲求不満は、つい食べすぎることで解消してしまいがちですね。

 冬のカラダは、寒さへの緊張で胃も腸も、そのふくらみ容量をおさえています。春になり、少しずつ容量を広げていくわけですが、食べ過ぎによる急激なふくらみは、胃腸の粘膜に大きな負担がかかります。

 花粉症の「花粉」は、春の訪れの象徴にすぎません。もちろん、ミクロの分子レベルで、花粉が抗原となるでしょう。でも、全員が花粉症になるわけではないように、花粉症は、それを受け取る側の問題があります。

 春は会社の決算と同じように一年のカラダの棚卸をしようとすることを思い出してください。そこに、「花粉症」という症状の特徴があります。

 去年一年間の、整理ができていないもろもろのこと。

 その状態では新しい季節を受け入れることができないよー、というカラダのメッセージ。

 花粉症とは、新しいことを受け入れる余裕を少しでもつくっておこうというカラダのけなげな反応なのです。

 

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