いつも携行するスマートフォン。いつでも写真が撮影できるカメラとしても重宝します。そのままSNSにアップできる手軽さも魅力ですね。
しかし、本格的なカメラと比べると、スマホカメラには弱点が。それは、製品にもよりますが、望遠や広角といった画角の選択が少ないこと。望遠はデジタル的に拡大することで代用できますが、広角はレンズが頼り。
筆者は先日、平等院鳳凰堂を訪れましたが、10円硬貨のように正面から撮影しようとすると、手持ちのスマホカメラでは、鳳凰堂の両端が収まらない事態が! これではSNS投稿も見映えしません。
【写真】ベストポジションから撮影しようとすると、左右が収まりきらない。(筆者撮影)
かといって、全体が収まるまで後退すると、今度は他の方々が写り込んでしまう事態に。
【写真】全体を収めようと後退すると、他の人々も写ってしまう。(筆者撮影)
どう解決しようかと考えた結果、スマホカメラに標準的に備わっている「パノラマ」撮影機能の活用を思いつきました。
パノラマ撮影とは、カメラを動かしながら連続的に風景を捉え、例えば、超横長の写真を撮影することができます。
【写真】他の人が写り込まない近距離のベストポジションから「パノラマ撮影」を行った画像。
ただし、パノラマ撮影のままでは、画像が横長すぎて端に余計なモノが写り込んでしまったり、また、閲覧者側で縮小表示されると、何の写真かが不明確になってしまいます。
そこでひと工夫。スマホの写真アプリで標準的に利用できるトリミング機能を使って、必要な部分のみ切り出します。今回の場合は、鳳凰堂を切り取ってみましょう。
【写真】パノラマ撮影から鳳凰堂を切り出して、一般的な縦横比の写真を作成。
どうでしょう? 少し歪みを感じますが、概ね狙い通りの写真を残すことができました。
■さいごに
今回の裏技は、パノラマ撮影機能を応用しつつ、普通の写真として見える縦横比にトリミングすることで、広角レンズを用いたかのような写真を残すアイデアです。
技術的にパノラマ撮影とは、複数の画像をつなぎ合わせて実現していますが、近年は、この合成の技術と精度が向上し、位置や色のズレが見られず、違和感が無くなっています。
スマホは高性能で映像処理能力も高いため、こうした特殊撮影は、カメラ専用機も得意と言えます。他、明暗の調整や加工も高度で、誰もが手軽に見た目に近い映像を残せるのも特徴と言えます。
筆者も最近は、逆光など、カメラ専用機で撮影が難しく不安な時は、スマホでも撮影しておくようにしています。
ある意味、カメラ専用機を超えたカメラがスマホカメラ。いつもポケットに入っていてシャッターチャンスにも強いスマホカメラ。活用しない手はありませんね。