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- 作間信司の経営無形庵(けいえいむぎょうあん)
- Vol.149 事業欲旺盛な社長は「慎重な経営を心掛ける」
先月のメルマガ(148話)の中で、少し話した新業態「ジョイリハ」を8月の末に2店舗、見学させていただき、黒川社長(株式会社パワーリハ 本社葛飾区)にFCについて伺ってきた。
要介護の方々が、週に1回~2回、機能維持、また人によっては機能回復のために約3時間くらいリハビリを行う施設である。
もともと病院関係者が運営していたものを3年前に引き受け、現在11店舗(FC店を含む)を首都圏を中心に展開中で、地方の県庁所在地にあるFC店では、事業の好調をうけ、地元で2号店の出店を決めたところであった。
これから全国100店にむけて多店展開を目指している。FCについて、初期費用やロイヤリティー、集客方法、出店立地の条件や介護関係の専門スタッフの有無の必要性など詳しく説明していただき、新規参入の心構えや、実際の仕事については現場の若いスタッフの方にいろいろ教えていただいた。
写真の撮影がプライバシーの問題も含め不可だったので、ここでご案内できないのが残念であるが、ご興味のある方は是非ホームページを検索してみてほしい。
ここで皆さんにお伝えしたいことは、ジョイリハの将来性もさることながら、3年間かけてFCパッケージを慎重に作り上げたことである。特に、施設内の静脈認証システムは、事務経費の軽減や不正請求の防止など、必須実務を実現させた優れモノである。 たった一社の小さな不正であってもグループ全社への打撃は計り知れない。また、人口密度の高い、都市圏で成り立つ事業であっても、地方都市で事業化できなければ、その拡大可能性は格段に低くなってしまうし評判を落としてしまう。地方都市での事業化ノウハウの蓄積で、多くの時間を使い都市圏とは一味違ったシステムを構築しているようである。
この当たり前といえば当たり前の「慎重さ」が事業経営にとっては非常に大切になってくる。一見大胆に見える事業展開、全国展開、大規模投資の裏には、常にリスクを一つ一つ潰し、失敗の可能性を最少にして、大切な資金を投入する社長の姿勢である。
危なっかしい話の多くは、「利」を焦るばかり、大きな話し、有利な話し、自社にとって都合のいい話しばかりが多く、地に足が付いていない感じを受ける。
新事業は、そうであってもなかなか成功しないものである。自社開発であっても、FCなど提携する新事業であっても「慎重の上にも慎重」を旨として経営を推進していただきたい。
一般のお客様も、お取引先様も、我々の都合で、大切なお金を払ってくれることはない。