menu

経営者のための最新情報

実務家・専門家
”声””文字”のコラムを毎週更新!

文字の大きさ

社長業

Vol.146 「お客様を離さない。お客様の心を離さない」

作間信司の経営無形庵(けいえいむぎょうあん)

今日、日本橋の老舗で、3名で昼食をとっていた時ことであった。
 

あなごの「はこ飯」という料理で、名古屋の名物ひつまぶしを、あなごで食べるようなイメージを持っていただくとちょうどいい。
 
カウンター越しに、3人で、話に夢中になって食事をしていたが、主賓のお客様が、最後のお茶漬け用のあなごを残さず食べてしまって、一番お勧めの料理が食べれなくなってしまった。
 
昼でもあるし、この後新幹線で移動をするし、「また今度!」と言いながら、話しをしていたら、奥からご主人が、「たまたま少しあったから・・・」といって、もう一杯、あなごののったお椀を持ってきてくれて、ご馳走してくれた。
 
ご主人の心遣いで、おいしく楽しい昼食をいただいた。
 
先週の博多の超繁盛店も、若いスタッフであったが、とにかく明るく親切であった。オーナーが東京の有名店で修業し地元で3店舗を経営しているが、アットホームな応対で地元で人気である。
 
料理もおいしいし、オーダーを受けるときの会話も食材のことや周辺の話題も豊富で、笑顔が絶えない。
 
法人担当の営業でも本質は同じである。接客業とは実技は違うが、お客様と一番多く会っている、そして自分のこと(お客様の会社の立場)を、考えてくれる営業マンに、やっぱり発注することが多くなる。
 
品質や納期や価格の優位性は当然必要だが、ダントツに勝っているという状況は中小企業でつくることは難しい。であるからこそ、余計に人間力を鍛え、教育し、採用段階から親切な明るい人を選抜し、定期訪問を徹底することで確実に業績は伸びる。
 
人口減は日本中の共通状況で、ますます競争は激しくなる。勢い販売部門はゲキを飛ばすことが多くなるが、あくまで「売上高」は、お客様の心をつかんだ結果の「領収書」でしかない。売りつけられて喜ぶ人は一人もいない。
 
自分もお客様の立場だったらすぐわかることが、売る立場に変わると、とたんに忘れてしまう。市場が小さくなるということは、供給過剰、買い手に選択肢が明らかに移ったということをベテラン幹部に判らせてほしい。
 
心をつかむ技をどれだけ社内に持っているか?また、それを自然に出せるよう教育するか?にかかっている。「あなご屋さん」で、気分よくお支払いをして、また来ようね!といって別れた。
 

リピーターが最大の財産であることはいつの時代も変わらない。
 
(2010年6月9日配信)

 

Vol.145 「我社の変化、革新をスピードアップさせる」前のページ

Vol.147 成功のための「三練磨」次のページ

関連記事

  1. Vol.79 会社を、もっと強くする「魔法のコトバ」

  2. Vol.82 ”情報を太くする”と商売も太くなる

  3. Vol.154 後継への心構えと準備は大丈夫か!

最新の経営コラム

  1. 朝礼・会議での「社長の3分間スピーチ」ネタ帳(2024年11月20日号)

  2. 第七十八話 展示会後のフォローで差をつける「工場見学の仕組みづくり」

  3. 第219話 少人数私募債の相続対策

ランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

新着情報メール

日本経営合理化協会では経営コラムや教材の最新情報をいち早くお届けするメールマガジンを発信しております。ご希望の方は下記よりご登録下さい。

emailメールマガジン登録する

新着情報

  1. 仕事術

    第23回「ビジネスにお薦めの超小型スピーカー ベスト3」
  2. 製造業

    第173号 ヘンリー・フォード先生に学ぶ
  3. 健康

    第55号「1年間に600ラウンドのメンタリティー」
  4. 社員教育・営業

    第73回「話の聞き方」(電話応対における聞き方)
  5. 経済・株式・資産

    第49回 奇をてらうことのない愚直な経営が、一流企業への道を歩ませた「ベルク」
keyboard_arrow_up