今日、日本橋の老舗で、3名で昼食をとっていた時ことであった。
あなごの「はこ飯」という料理で、名古屋の名物ひつまぶしを、あなごで食べるようなイメージを持っていただくとちょうどいい。
カウンター越しに、3人で、話に夢中になって食事をしていたが、主賓のお客様が、最後のお茶漬け用のあなごを残さず食べてしまって、一番お勧めの料理が食べれなくなってしまった。
昼でもあるし、この後新幹線で移動をするし、「また今度!」と言いながら、話しをしていたら、奥からご主人が、「たまたま少しあったから・・・」といって、もう一杯、あなごののったお椀を持ってきてくれて、ご馳走してくれた。
ご主人の心遣いで、おいしく楽しい昼食をいただいた。
先週の博多の超繁盛店も、若いスタッフであったが、とにかく明るく親切であった。オーナーが東京の有名店で修業し地元で3店舗を経営しているが、アットホームな応対で地元で人気である。
料理もおいしいし、オーダーを受けるときの会話も食材のことや周辺の話題も豊富で、笑顔が絶えない。
法人担当の営業でも本質は同じである。接客業とは実技は違うが、お客様と一番多く会っている、そして自分のこと(お客様の会社の立場)を、考えてくれる営業マンに、やっぱり発注することが多くなる。
品質や納期や価格の優位性は当然必要だが、ダントツに勝っているという状況は中小企業でつくることは難しい。であるからこそ、余計に人間力を鍛え、教育し、採用段階から親切な明るい人を選抜し、定期訪問を徹底することで確実に業績は伸びる。
人口減は日本中の共通状況で、ますます競争は激しくなる。勢い販売部門はゲキを飛ばすことが多くなるが、あくまで「売上高」は、お客様の心をつかんだ結果の「領収書」でしかない。売りつけられて喜ぶ人は一人もいない。
自分もお客様の立場だったらすぐわかることが、売る立場に変わると、とたんに忘れてしまう。市場が小さくなるということは、供給過剰、買い手に選択肢が明らかに移ったということをベテラン幹部に判らせてほしい。
心をつかむ技をどれだけ社内に持っているか?また、それを自然に出せるよう教育するか?にかかっている。「あなご屋さん」で、気分よくお支払いをして、また来ようね!といって別れた。
リピーターが最大の財産であることはいつの時代も変わらない。
(2010年6月9日配信)