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社長業

Vol.135 常に世界視野から自社市場を見ておく

作間信司の経営無形庵(けいえいむぎょうあん)

 先週の日曜日に、大手食品卸の幹部の方々とゴルフをご一緒させていただいた。お取り扱いメーカーは、大手といわれるところは全て口座があり、海外メーカーも数えきれないほどである。
 
 昼食時の話題は、おのずと国内の大手ビールメーカーと国内洋酒メーカーとの提携に話が及んだ。真相は、藪の中ではあるが、今後の海外展開、とくにアジア での市場確保や海外メーカーとの戦いでは、国内とは比較にならない額の投資や戦略が必要となることは想像に難くない。
 
 我々が知っている「バドワイザー」も「ミラー」も「ハイネケン」も会社としては世界一ではない。M&Aで大きくなり続けた「インベブ」というベ ルギーの会社が現在、世界シェアの約4分の1をにぎっているといわれ、勢力図は10年たつと様変わりである。その中で戦っていくには、国内のシェア争いは 当然のことながら、常に世界視野で市場や競合企業の動きを見ておかなければ、遅れを取ってしまう。仕入先ではまだ影響は少ないが、販売先の場合には、圧倒 的に不利になってしまう。
 
 Y社の取引先は、国内の準大手ゼネコンと大手ゼネコン関連企業である。デベロッパーの経営不振はニュースでご存知の通りであり、これからも予断を許さない状況が続いている。
 
 そんな中で、今期の販売計画を立てるためには、どこが生き残り、どことどこがくっつくか?我社のメイン先は、勝ち残る側か?を冷静に判断するしかない。
 取引先の中の担当者自身も自社の業界での生き残りを賭けてY社の持つ技術を欲しており、互いに協力して勝ち残りを模索している。
 
 主要取引先が負け組みの可能性が高ければ、トップ自ら開拓に励み「客筋を良くする」しか、生き残れなくなってしまう。海外の先進国の歴史をみれば、国内 のゼネコン企業が約半数になっていくのは確定未来と言えるほど、ハッキリしているのだから。国内の論理だけでは通用しなくなってきている。
 
 トップ企業3社にシェアは集中するし、圧倒的な独自性を持っていれば小さくても独立系として存続していけるが、優位性を長く持ち続けることは大変である。まさか?と思えるシナリオも、海外を広く見ていると決して想定外ではない。
 
 社長と会長以外に、この問題は追いかけられない。自身で出かけていくことと、身の回りに世界視野をもった人材を揃えておくしかない。どんな業種でも業界でも全く同じことだと思う。

 

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