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社長業

Vol.68 社風は重要な「見えない資産」である

作間信司の経営無形庵(けいえいむぎょうあん)

会社には、当り前だが特有の性格がある。
 
典型例は医療機器を扱っている会社で、24時間、365日対応、患者さんの命が何を置いても最優先という暗黙のルールである。
同じく、道路工事関連やCVS関連も24時間が当然であり、新入社員もそれにすぐに慣れてしまう。
 
新事業は特に、この社風を重視しなければ成功しない。
 
土、日が休みに慣れてしまった社員を、土日出勤させること一つをとっても、実務面では苦労する。官需になれてしまった社員を民需に移動させても中堅以上は態度も言葉も営業スタイルもなかなか「民」に通用するものにならない。
低価格帯の商品を売りなれた社員では、高価格商品を売れないのも同じである。
 
会社の体質転換を計ったり、新事業に挑戦するには、この社風・性格に合ったものを狙うか、既存社員はそのままに、最初の一人から揃えていかなければ成功は難しい。
 
社名は公表できないが、まったく異業種のサービス業に自社の24時間対応能力を武器に参入し、お客様から大好評を得て、短期間に収益軌道に乗せたS社がある。
競合がマネをしようとしてもなかなか追随できない間に、シェアをグングン伸ばしている。
 
社歴が長ければ長いほど、社風は強固である。資産にもマイナス資産(負債)にもなってしまう。
 
社長の戦略のとり方次第である。

 

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