menu

経営者のための最新情報

実務家・専門家
”声””文字”のコラムを毎週更新!

文字の大きさ

後継者

第12回 親側の教育 最強の相続対策

欧米資産家に学ぶ二世教育

同族経営、ファミリービジネスにとって持株の継承がうまくいくかどうかは死活問題である。
従前に比べ、自社株のスムーズな譲渡や家族間の軋轢を未然に防ぐ選択肢が増えた。

例をあげれば、新事業承継税制で80%の相続税納税猶予の適用を受ける、拒否権が発動できる黄金株のみ
親が所有しあとは子どもに譲渡す る、相続時精算課税制度を利用して生前に資産を分けてしまう、遺留分の
支払いを先送りにする手法等である。
しかしこれらの対策が実を結ぶには家族・相続人 の合意が前提となろう。


欧米におけるファミリービジネスの継承をみると、何世紀に亘り信託(トラスト)が大きな役割を果たしてきており、
英米法下の信託は日本にも導入されつつある。税法の整備が進めばわが国にとって有力な枠組みとなろう。
ヨーロッパの大陸法下の国々では家族の資産を守るという目的のファミリー・ファウンデーション(財団)が使われてきた。
しかし日本ではこの種の財団は「脱税もどき」とみなされる傾向がある。


そもそも日本社会には次世代に資産を遺すことを必ずしも「良し」としない風潮が根底にあるように思われる。
しかし、同族経営は日本経済にとって力の源泉で あり、それを守り育てていくには、スムーズな資産継承が肝要である。
この面からも信託などの継承の枠組みの導入や整備が必要だ。


が、いかによい枠組み、対策が整えられようと、家族や相続人が納得していなければ結果うまくいかない。
家族間のコミュニケーション、意見調整がスムーズにできる素地づくり、習慣作りが必要だ。
これこそ親が行える最強の相続対策だし、今すぐにでも始めて欲しい。



榊原節子     

第11回 人生のまとめ前のページ

第13回 親側の教育 明るくリスク管理次のページ

関連記事

  1. 第93回 経営者とストレス

  2. 第80回 想いを実現させるイメージング法

  3. 第75回 子どもにサポートチームを

最新の経営コラム

  1. 第24回 営業マンに頼ることなく、売上高を確保できている

  2. Vol. 1 ニューヨークのビジネス界におけるトレンド:DEIとブランディングの重要性

  3. 朝礼・会議での「社長の3分間スピーチ」ネタ帳(2024年5月1日号) 

ランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

新着情報メール

日本経営合理化協会では経営コラムや教材の最新情報をいち早くお届けするメールマガジンを発信しております。ご希望の方は下記よりご登録下さい。

emailメールマガジン登録する

新着情報

  1. マネジメント

    ナンバー2の心得(1) “御家大事”で先を読め
  2. 健康

    第107回 野沢温泉(長野県) 情緒あふれる温泉街に湧く天然記念物の激アツ湯
  3. マネジメント

    第10回 ”ダメ社員・問題児”への対処法
  4. ブランド

    <事例―7 マルホ(B2B)>医薬品の中でも皮膚科の外用剤に絞り込み、トップブラ...
  5. マネジメント

    第52回 社員の幸せを考えるブレない経営とは?~事例:ブルネロ クッチネッリ
keyboard_arrow_up