menu

経営者のための最新情報

実務家・専門家
”声””文字”のコラムを毎週更新!

文字の大きさ

マネジメント

第44回 社員の幸せを考えるブレない経営とは?~事例:コロンビアスポーツウェア

オンリーワンで勝ち残る企業風土づくり

~企業理念を現場で活かすための共通言語とは?!~
1938年にアメリカのオレゴン州で創業したコロンビアスポーツウェア。
 
同社は、定番の「マルチポケットフィッシングベスト」や、アウタージャケットとインナージャケットをファスナーで着脱できる「インターチェンジシステム」を開発したメーカーとして、今では、登山やトレッキング、ウォータースポーツ、マウンテンバイク、フリークライミングなどのウェアやシューズ、グッズの販売からマーケティングを手がけることで、直営店、アウトレットショップ、フランチャイズ、スポーツ用品小売業への卸販売も含め日本国内合計31の小売店舗を展開するまで成長しています。
 
同社がここまで外国(日本)で成功できた理由とは?何か?
 
それは、米国本社の(英語で書かれた)企業理念(以下)の<高価値>という文言を、言語の違う外国(日本)でも相互理解できる<共通言語>(=機能)に置き換え、コロンビアスポーツウェアが定義する“高価値”を常に現場が意識できるようにしたからです。*共通言語とは?現場ベクトルをそろえる会社独自の文言
 
<コロンビアスポーツの企業理念>
「年齢を問わずアクティブな消費者に、本物のアウトドアを体験できる高価値の商品をデザインし、提供する」 
(At Columbia Sportswear, our mission is to design and deliver authentic, outdoor, high-value products for active consumers of all ages).
 
<コロンビアスポーツの共通言語(=機能)4つ>
・ウォーム・・体の熱を利用して、厳しい天候でも快適な状態をつくりだす保温機能
・ドライ・・濡れない、蒸れないことを目的とした防水透湿、吸湿速乾機能
・クール・・汗や水分を利用して、温度を下げる冷却機能
・プロテクテッド・・汚れや水、紫外線、風、虫などを防ぐプロテクション機能
 
~ブランドがリピートを生み出す!!期待を上回る提案とは?!~
コロンビアスポーツの強さとは?
それは提供する全ての製品が高価値(先述の4つの機能)を満たすことで、顧客に快適なアウトドア環境を提供し、顧客の期待に必ず応えていること です。
 
では、同社の本当の強さとは?
それは顧客の期待を上回るために、4つ(下述)のアウトドアブランドを駆使し、
海外(日本)市場でも日本の消費者目線で仮説を立て、日常でも体感できる
「タウンウェアとしての使いやすさ」を“スタイル”として解決することで、(以下のように)本物のアウトドアを提供し、リピートを生み出していることなのです。
 
<コロンビアスポーツ4つのアウトドアブランド>
・ウィンターブーツの「ソレル」
・トレイルランニングシューズの「モントレイル」
・アルパインウェア・ギアの「マウンテンハードウェア」
・幅広いラインアップを誇るメインブランド「コロンビア」
 
<仮説>
「日本は海外のようにロングバケーションはとりづらく、アウトドアも週末の一泊二日と短期間になり、せっかく購入したアウトドアウェアがもったいない。」
 
<解決>
幅広いラインアップを誇るメインブランド「コロンビア」の商品を、ウィンターブーツの「ソレル」でコーディネートすれば、日常使用でも本物のアウトドア体験(同社商品には“アウトドア”としての証が機能(“ウォーム”“ドライ”“クール”“プロテクテッド”として付帯)を楽しめる
 
 
~顧客の期待を超える現場の情熱はいかにして生まれるか?!~
コロンビアスポーツの全ての製品は、機能(“ウォーム”“ドライ”“クール”“プロテクテッド”)を満たすことで、お客様に快適なアウトドア環境を提供しています。
それができるのは
現場が「アウトドアに対する情熱を持っている」からです。
 
同社の日本社長ラッザリ氏は、
「情熱がお客様に伝われば、接客の半分は成功したようなものです」と確信をもって語りつつも、
同時に「商品を売ることも大事だが、より重要なことがあります」と付け加え、
こう続けています。
 
「我々は、商品だけを売っているとは思っていません。
我々が本当に売っているのは、アウトドアを愛するライフスタイルであり、傾ける情熱なんです。そのためには、商品だけでなく、新たなトレンドをつくることも役割のひとつだと考えています」
 
社長が普及を推進するロングトレイル(登山道やハイキングコースなど複数にわたる自然歩道をつなぎ、自然や文化を楽しみながら100KM単位の長距離を歩くアクティビティ)は、”自らが動くと、仕事も人生に対するスタンスも変わるはず“と自身が率先垂範することで社内に浸透させようとしているのです。
 
コロンビアスオーツウェアFB(英語)<ミッション>
https://www.facebook.com/ColumbiaSportswear/info/?tab=page_info
 

第43回 社員の幸せを考えるブレない経営とは?~事例:スカンジナビア航空~前のページ

第45回 社員の幸せを考えるブレない経営とは?~事例:チックフィルエー次のページ

関連記事

  1. 第12回 会社をオンリーワンにするブレない経営とは?~事例:生活の木

  2. 第28回 社員の幸せを考えるブレない経営とは?~事例:あきんどスシロー

  3. 第50回 社員の幸せを考えるブレない経営とは?~事例:御堀堂外郎

最新の経営コラム

  1. 【昭和の大経営者】ソニー創業者・井深大の肉声

  2. 「生成AIを経営にどう活かすか」池田朋弘氏

  3. 朝礼・会議での「社長の3分間スピーチ」ネタ帳(2024年11月20日号)

ランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

新着情報メール

日本経営合理化協会では経営コラムや教材の最新情報をいち早くお届けするメールマガジンを発信しております。ご希望の方は下記よりご登録下さい。

emailメールマガジン登録する

新着情報

  1. 経済・株式・資産

    第173話 中国経済 底を打った可能性が高く
  2. 人間学・古典

    第10講 「言志四録その10」寝に就く時、懐を空虚にし、夜気を養うべし。
  3. マネジメント

    第27回 『積極思考と習慣』
  4. 戦略・戦術

    第236号 地方企業こそ、協業と公的支援の活用を
  5. 戦略・戦術

    第100話 「危機感をもっていました人手不足時代が 又 やってきました part...
keyboard_arrow_up