~M&Aには会社の存在意義が不可欠!!~
「2020年までに、売上高を現在の1兆円から、倍の2兆円にする。うち5000億円はM&Aによって達成する」
M&A(企業の合併・買収)をお家芸とする日本電産は、ここ5年で1兆円もの増収を海外企業の買収などにより達成する数値目標を掲げています。
“世界で勝って国内に還流させる!”
こう語る同社経営トップ永守社長は、
「日本の製造業が生き残らなければ、日本に雇用を生み出せない」ことを確信し、
日本電産は、会社の存在意義のために、M&A戦略を駆使、
世界で勝つことへと会社をカジ取りしています。
~経営理念を具体化すれば現場は何をすればよいか?分かる!!~
同社が掲げる経営理念は、三つ
1.最大の社会貢献は雇用の創出であること
2.世の中でなくてはならぬ製品を供給すること
3.一番にこだわり、何事においても世界トップを目指すこと
そして日本電産は、経営理念で以下の事を明確に語っています。
<会社が存在する目的=存在意義>
1・.最大の社会貢献は雇用の創出であること
<会社は何をすべきか?目標=ビジョン>
2.世の中でなくてはならぬ製品を供給すること
3.一番にこだわり、何事においても世界トップを目指すこと
同社は、
・ M&A戦略により世界でシェアーを伸ばし、国内で雇用を生み出す
→目的=存在意義 1・.最大の社会貢献は雇用の創出である
そのため
・2.世の中でなくてはならぬ製品を供給する
・3.一番にこだわり、何事においても世界トップを目指す
→目標=ビジョン に向かって進んでいく
経営理念の文言の具体化(上記)は、会社が進むべき方向を分かりやすく現場に伝えているのです。
~経営理念で現場との信頼関係を構築すれば利益は生み出せる!!~
日本電産は、リーマンショックを黒字で克服しました。
それができたのは、
同社がリーマンショックの状況下でも一切解雇せず(1・雇用を守る)、
経営理念1・.最大の社会貢献は雇用の創出であること
を現場に示し、現場との間で信頼関係を構築。
そして、現場を鼓舞(2・利益を生み出す方法を示す)しつつ、
現場目線(3・現場の意見を収集する)を貫いたからです。
1・雇用を守る・・・(リーマンショック後まだ利益を確保していたときに)
他社に先駆け賃金を5%カット(社長60%カット)し、解雇はなし
2・利益を生み出す方法を示す・・・売上げが半分になっても絶対に赤字にならない収益構造をどう実現するか?その策をWPR(ダブル・プロフィット・レシオ)と称し、大運動を展開
3・現場の意見を収集する・・・全社員に収益を上げる方法や無駄の削減案を募り
5万件もの案をよほど効果のないもの以外は、一応全部実施
<現場との信頼関係で利益を生み出す3つのステップ>
ステップ1 現場と信頼関係を築く
→まずは現場の意見を採用し、実施する、
ステップ2 現場に気づいてもらう
→現場の意見を実施し、効果が出たか出ないか?を開示
ステップ3 現場に考えてもらう
→現場から次の提案が挙がる
同社は、上記3つのステップを通して、最終的に挙がった5万件をすべて順番にやってみることで、売上げは戻らない状況でも、最高益を記録したのです。
~行動規範は会社の精神となり、現場ベクトルを一つにする!!~
永守社長は、リーマンショック後の会社をこう語っています。
「要するに、
危機にある時にはトップダウンより一般社員からのボトムアップが一番強いということです。そういう時に社員と危機感を共有できて、下からたくさん提案が挙がってくるようでないと会社は変わりませんね。」
経営トップがこう自負できるのは、同社の現場社員が、行動規範(以下三大精神と称される)によって現場ベクトルが一つになっているからです。
<日本電産の三大精神>
情熱、熱意、執念
知的ハードワーキング
すぐやる、必ずやる、出来るまでやる
日本電産は、
つまり、M&A戦略を会社が生き残るための一つの方法として採用し、そこに経営理念を通して魂を注入することで、現場に安心(雇用を守る)を与えながらも、現場のやる気を醸成しているのです。
日本電産HP<企業理念ページ>