3秒で来場者をつかむ!ブースキャッチコピーのつくり方!
展示会営業Ⓡコンサルタントの清永健一です。
今回は、展示会で成果を出すためにもっとも重要な「問題解決型ブース」のつくり方について考えていきます。
どのようにすれば、問題解決型ブースをつくることができるのでしょうか?実は、その答えはシンプルです。 自己紹介型ブースの逆をやればよいのです。ブース上段の最も目立つ部分に、自社のブースが、「だれのどんな悩みを解決するブースなのか?」を示す言葉を掲げるのです。この言葉のことをブースキャッチコピーと呼びます。

このコラムでも解説した出展コンセプトが固まっていれば、どのような言葉を掲げたらよいのか、おおまかにはイメージできるはずです。このイメージを具体化し、来場者に刺さるものにしていきます。
では、どうすれば、来場者に刺さるブースキャッチコピーになるのでしょうか? このことを考える時に、とても重要な来場者の特徴が2つあります。
ひとつは、「来場者はできるだけブースに立ち寄らないでおこうとしている」、という点です。そして、もうひとつは、「来場者は頭が回転せず思考停止している」、という点です。なぜ、こんなことになるのでしょうか?実は、この2つの特徴が発生する原因は、いずれも共通しています。展示会に行ったことがある方は経験があるのではないでしょうか?展示会に行くと、展示会場に入った瞬間から、
「よろしければ名刺交換させてください!」
「どうぞどうぞ!見ていってください!」
「こんにちは!うちの商材はいいですよ!」
「どうですか?画期的な機能でしょ!」
などと、四方八方のブースから矢継ぎ早に言葉を浴びせられるのです。最初の内は、
「活気があっていいなぁ」
と思うかもしれませんね。でも、それがずっと続くとどうでしょうか?
「うざいなぁ」「うるさいなぁ」「落ち着いて情報収集できないなぁ」と思いますよね。そして、「めんどくさいなぁ。売り込まれたらイヤだし、できるだけブースに立ち寄らないようにしよう。」と思うようになるのです。
そして、そういう心境で展示会場を歩き続けていると、何が見えても、何が聞こえてきても、気に留めずスルーするようになります。こうして、思考停止状態の来場者ができあがるのです。
このように、「できるだけブースに立ち寄らないでおこうとしていて」、「頭が回転せず思考停止している」来場者を惹きつけることができるブースキャッチコピーをつくらないといけないのですから、なかなか大変です。でも、安心してください。ポイントを押さえて考えていけば、あなたも必ず来場者に刺さるブースキャッチコピーをつくることができます。
ブースキャッチコピーをつくる時の一番のポイントは、ずばりインパクトです。たった3秒で、思考停止状態でできるだけ立ち寄らないでおこうと思っている来場者の足を止めないといけないのですから、とにかくインパクトを出すことを考えましょう。
インパクトを出すためには、次の3つのポイントを押さえることが重要です。その3つとは、
1.メリット提示
2.具体性
3.TO ME メッセージ
です。ひとつずつ見ていきましょう。
■ブースキャッチコピーのポイント1:メリット提示
あなたも、自分や自社に「メリットがある!」と感じる何かに出会うと無視できなくなるのではないでしょうか? その心理を活用し、ブースキャッチコピーにメリットを組み込みます。メリットの手がかりは、出展コンセプト検討シートの、右上:「展示会で出会いたい人が心の中でつぶやいている悩みは?」や右下:「あっ!だったらうちが(こんな風に)役に立てますよ」の中にあるはずです。そういう目で出展コンセプト検討シートを見返してみましょう。
そこからさらに深掘りして、具体的にメリットを考えていきます。そもそも、メリットとはいったい何なのでしょうか?このことを考える時には、あなたの会社の商品、サービスや技術を購入する前の状態(ビフォー)と後の状態(アフター)をイメージしてみてほしいのです。あなたの会社の商品、サービス、技術を購入することで、顧客の何かがよくなるはずです。このよくなった状態(アフター)がまさにメリットなのです。

顧客の状態をアフターに導くのは、あなたの会社の商品、サービス、技術です。わたしはこれまで数多くの企業のブースキャッチコピーの作成をサポートしましたが、多くの人がブースキャッチコピーに、自社の商品、サービス、技術で何ができるかや、商品、サービス、技術のスペックや特徴を書こうとします。自社の商品、サービス、技術について熟知していますし、愛着もあるでしょうから、そうなるのは、ある意味仕方がないことかもしれません。
しかし、商材の特徴、性能、スペックはメリットではありません。これらは、顧客をビフォーからアフターに導くための手段なのです。来場者は、手段には興味がありません。自分や自社がどうなれるのかに興味があるのです。「こうなれる!」ということに興味を持った後、そこで初めて、「どうやったらなれるのだろうか?」と手段に興味を持つのです。あなたも、出展商材でできることや出展商材の特徴、性能、スペックではなく、メリットを提示してほしいと思います。
でも、このメリットを提示することがなかなかむずかしいのです。例を挙げます。あなたが展示会で出展する商材が、「氷のお皿をつくる装置」だったとしましょう。この装置、なかなかよいのです。飲食店の厨房にもともとある製氷機の氷をこの装置に投入しレバーを引くと氷のお皿ができあがります。しかも、この氷のお皿は3時間溶けません。

さぁ、この装置のメリットは何でしょうか?考えてみてください。
答えは、『3時間溶けない本物の氷のお皿を簡単につくれること』ではありません。それでは、この装置をつかってできることを言っているにすぎないのです。
では、この装置のメリットは何なのでしょうか?考えてみましょう。
考える時のコツは、自分だけ、自社だけで考え過ぎないことです。なぜなら、メリットは、顧客側で生じる「よくなった状態」のことだからです。その状態を最もよく知っているのは顧客ですから、顧客に聞きに行けばよいのです。既存客に、「うちの商材を導入して、何かよくなったことってありますか?」とストレートに聞いてしまいましょう。例に挙げたこの装置の場合だと、どのような回答が出てくるでしょうか?さまざまな回答があるでしょうが、ある和食のお店の経営者から、
「原材料も調理方法も盛り付けも何も変更していないのに、このお皿に乗せてお刺身を出すようにした、ただそれだけで、単価を大幅にアップすることができたのです。」
という回答が出てくるかもしれません。そうだとしたら、この装置のメリットは、
『メニューの単価を大幅にアップできる(可能性がある)こと』
ということになります。
『3時間溶けない本物の氷のお皿を簡単につくれること』と
『メニューの単価を大幅にアップできる(可能性がある)こと』
だと、どちらの方が、来場者に刺さるか、答えは明白ですね。あなたも、メリットを「3時間溶けない本物の氷のお皿を簡単につくれること」のような、特徴、スペック、性能にしないように注意してください。
「でも、来場者もバカじゃないんだから、『3時間溶けない本物の氷のお皿を簡単につくれる』とブースキャッチコピーに書いておけば、それなら『このお皿でお刺身を出したら単価を上げることができるかもしれないぞ』と気づくんじゃないのかな?」
あなたは、こんな風にお考えになったかもしれませんね。確かにその通りなのです。見込み客も平常時、通常のコンディションなら、商材の特徴、スペック、性能によって、自分や自社にどんなよいことがもたらされるか、を考えることができるでしょう。でも、思い出してください。展示会場では、「来場者は頭が回転せず思考停止している」のです。普通なら少し考えればわかるようなことでも、展示会場では思考停止状態になっていますから、決して気づいてはくれません。だからこそ、メリットをズバっと言い切る必要があるのです。
次回は、ブースキャッチコピーの2つ目、3つ目のポイントについて考えていきます。ご期待ください。
◎2026年6月下旬から7月のおすすめ展示会
※展示会・イベントの日程は変更することがあります。公式サイトから確認をお願いします。

清永 健一(きよなが けんいち)
株式会社展示会営業マーケティング 代表取締役
展示会営業Ⓡコンサルタント。中小企業診断士。奈良生まれ、東京在住。神戸大学経営学部卒業後、メガバンク系コンサルティング会社など複数の企業で手腕を発揮し、2015年に独立、株式会社展示会営業マーケティングを創業する。「展示会は売上アップへの投資効率に最も優れた手法」と主唱。支援先企業からは、集客・受注・売上が大幅に増加したと好評の声が多数あがる。著書の「飛び込みなしで新規顧客がドンドン押し寄せる展示会営業術」「中小企業のDX営業マニュアル~オンライン展示会をきっかけとした営業改革術」(ともにごま書房新社)、「仕事のゲーム化でやる気モードに変える」、「営業のゲーム化で業績を上げる」(ともに実務教育出版)はいずれもamazon部門1位を獲得。行政、公益法人、金融機関、各地の商工会議所など講演実績多数。 ホームページ:https://tenjikaieigyo.com/































