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第141回『もっと知りたいキュビスム』(著:松井裕美)

眼と耳で楽しむ読書術

長すぎた暑い日々もようやく終わりを告げ、
読書の秋、芸術の秋を楽しむのに、ふさわしい陽気になりました。

全国各地でイベントが目白押しですが、絶対見ておくべきなのが、
上野の国立西洋美術館で開催中の『キュビスム展~美の革命~
=会期:2023年10月3日(火)~ 2024年1月28日(日)=
です。

キュビスムと言えば、アートの流れを大きく変えたことで知られる一大ムーブメント。

今回、キュビスムの傑作を数多く収蔵するパリの名門ポンピドゥーセンターから
ピカソを始めとする巨匠の名画が続々来日!

日本におけるキュビスムの大規模展覧会は、約50年振りとのことで、
ぼくもさっそく足を運んでみたのですが、
予想をはるかに超える質の高さにビックリ。

日本初公開の作品も50点以上あるとのことで、
質量ともに、このレベルの展覧会は、そうそうありません。


世界800以上の美術館を回ってきた僕ですが、
これまで日本で見てきた展覧会で、確実に3本の指に入りますし、
世界レベルで見ても、間違いなくトップ級。
日本でこんなすごい展覧会が開催されるのは、もうないのでは?と思うほどです。

特に美術ファンでなくても、話のネタの1つとして、
すぐにでも行くことをオススメしますが、訪れる前に
ぜひ読んでいただきたい一冊が、

 

 

 

 

『もっと知りたいキュビスム』(著:松井裕美)/ amazonへ

です。

というのも、キュビスムは近代美術史において大きな影響を持ちながらも、
どういうわけか関連書籍が少ないんですよね。
専門書こそ何冊かあるものの、手ごろな入門書が全くない。
その点でも、貴重な一冊なのですが、内容が実に見事!

キュビスム作品は、少々キテレツというか、
とっつきにくい印象を持っている方も多くいますが、
本書を読めば印象が変わります!

代表的な作品の紹介はもちろん、キュビスムが生まれるまでの経緯や
その後の影響といった歴史的な背景も、よくわかる。
本書によって、アートを見る目が変わる、といっても過言ではありません。
展覧会鑑賞と合わせると効果倍増!

美術やキュビスムに馴染みの薄い方はもちろん、マニアをも満足させる仕上がりで、
読んで損なし、持っておいて損なし。
芸術の秋、読書の秋、どちらも満たすイチオシの一冊です!

尚、本書を読む際に、おすすめの音楽は、



『アダムズ・アップル +1』(演奏:ウェイン・ショーター)/ amazonへ

です。

今年の3月に89歳で亡くなったジャズ・サックスの巨匠、ウエイン・ショーターの代表作。

日本ではウェザー・リポート人気が高いので、
その印象が強い方も多いかと思いますが、実に多彩な演奏家。

その実験的なアプローチは、キュビスムに通じるものも感じます。
合わせてお楽しみいただければ幸いです。

では、また次回。

 

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