まだ顕在化していないブームの兆し、新たに生まれる新常識。新しい価値観をどんどん取り入れていくことができるのが若者たち。若者たちの中でも、トレンドを握り消費を動かすパワーを秘めた女性たちの“インサイト”に注目すると、新しいヒットを創るヒントが見えてくる!
最近、職場の20代の後輩女性がこんなことを言っていました。
「SNSを開くと、自分がちょっと興味を持っただけの情報が、AI(人工知能)によって延々と『おすすめ』され続けて、なんだか追いかけられているようで息が詰まるんです。だから最近は、AIに操作されず、自分の意図しない情報ともフラットに出会える『紙の雑誌』をよく読むようになりました」
「情報を完全に遮断したくて、『塗り絵』にハマっています。」
現代の若者といえば、動画を倍速で視聴するなど、徹底的に「タイパ(タイムパフォーマンス=時間効率)」を重視していると言われています。それなのに、なぜ彼女たちはわざわざ「紙の雑誌」や「塗り絵」というアナログで時間のかかることをしているのか?
ここに、新しい消費のヒントが隠されています。
★広がる「デジタルデトックス」と「没入」のサービス
今、若い女性たちの間であえてスマホを手放し(デジタルデトックス)、ひとつのことに集中する「没入」を目的としたサービスが、次々と支持を集めています。
では、実際にどんなサービスや体験が選ばれているのか。具体的な事例を見ていきましょう。
★紙の雑誌への回帰――「誰かの意図」に操作されない情報との出会い
まず注目したいのが、紙の雑誌やZINE(個人制作の小冊子)が若い世代の間で見直され始めているという動きです。
SNSやニュースアプリでは、AIが自分の好みを学習して「おすすめ」の情報ばかりを表示してきます。便利な半面、自分の知らない世界との偶然の出会いが失われてしまいます。この現象は「フィルターバブル」とも呼ばれています。自分の好みの情報しか表示されない”泡”の中に閉じ込められてしまう状態のことです。
しかし紙の雑誌は違います。パラパラとページをめくる中で、自分では絶対に検索しなかったであろう記事や広告が目に飛び込んでくる。その「偶然の出会い」が、AIに操作されていないフラットな情報体験として新鮮に感じられているのです。
★私語厳禁の読書カフェ――「静けさ」をお金で買う
東京・高円寺にある「アール座読書館」は「私語厳禁」をルールとした読書のためのカフェです。店内には水槽の水音や虫の声だけが静かに流れ、来店客は皆、思い思いに読書や物思いに没頭しています。
友人とおしゃべりするために滞在する、一般的なカフェとは真逆のコンセプトですが、「心が休まる」「スマホを見なくていい空間がありがたい」という声が、特に若い世代から多く寄せられているといいます。
★お寺での宿坊・座禅体験――スマホの電源を切って、ただ「無」になる
お寺に泊まり、スマホの電源を切って座禅や写経にただ没頭する「宿坊(しゅくぼう)リトリート」。リトリートとは、日常から離れて心身をリセットすることを意味します。
この宿坊体験が、マインドフルネス(余計なことを考えず、目の前のことだけに意識を集中させること)を求める若い女性の間で人気を集めています。
埼玉県秩父市の山中にある「大陽寺」は、およそ標高800メートルに位置する約700年の歴史を持つ寺です。坐禅(座禅)、写経、精進料理といった体験が用意されており、電波が非常に届きにくい環境で過ごす一泊二日は、まさに「強制的なデジタルデトックス」そのものです。
山梨県甲州市の武田信玄の菩提寺・恵林寺に隣接する「ZEN&BED 望月庵」は、宿坊を現代的にリノベーションした施設で、座禅やお茶、精進料理が体験できる本格的な禅リトリートの宿です。
引用:PR TIMES https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000032265.html(ZEN&BED 望月庵)
引用:PR TIMES https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000032265.html(ZEN&BED 望月庵)
お寺で過ごす時間が支持されている理由は、単に「静かだから」だけではありません。「ここではスマホを見なくていい」「ここでは何もしなくていい」という”ルール”が、スマホを手放せない彼女たちに「休んでいい言い訳」を与えてくれることにあるのです。
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