◆蒼 庵◆ モノの価値を再評価する |
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最近、日本茶をスタイリッシュな空間で飲ませる「日本茶カフェ」が増えてきた。 東京・広尾に店を構える『蒼庵』は、その代表だ。 薄暗い店内、重厚な無垢のカウンター席は、一見するとバーにもみえる。 ところが、カウンターの中央には大 きな南部鉄釜が置かれ、湯が沸いている。 オリジナル茶器を使い、カウンター越しの目の前で、スタッフがゆっくりとおいしい日本茶をいれてくれる。 メニューは、全国各地の煎茶や玉露が約20種揃う。 その他、ブルーベリーの香りづけをした日本茶やほうじ茶でつくったほうじチャイ、 さらに抹茶を使ったスイーツや茶葉を使ったおにぎりなど、新しい日本茶メニューの提案もしている。 一昨年に、この店を立ち上げたのは、アミューズメント企業の子会社、(株)ランチだ。 「コーヒーや紅茶は専門店があっても、日本茶の専門店は少ない。 もっと気軽においしく日本茶を楽しんでもらいたい」(オーナーの城山さん)。 そんなコンセプトから生まれた。 昼時になると、近くのOLや主婦が、夕方までにかけては近隣の女子大生たちが、 そして、夜には隠れ家として利用する芸能人もチラホラ現れる。 同じように、都内近郊にある日本茶カフェはいずれも盛況だ。 老若男女を問わず、多くのファンをつかんでいる。 もっとも、『蒼庵』のオープン当初は「日本茶一杯にそんなにお金をとるの!」と びっくりする客も来たそうだ(ちなみに一杯450円~)。 考えてみれば、ちょっとした日本食店、例えば天ぷら屋やそば屋に行けば、 お茶は無料で出てきて、おかわりまでできる。 あまりにも身近になりすぎて、その位置づけが不当に低くされていた節があるのかもしれない。 周囲を見渡せば、「無料」に慣れすぎて、 その価値を低く見てしまっている商品がまだ見つかりそうだ。 日本茶カフェ、さらに水や空気を売るバーも生まれているように、 それをちょっとおしゃれに、本格的に提供できれば、多くの人の心をつかむ、 新たなブームが生み出せるに違いない。 (カデナクリエイト/箱田高樹) ◆社長の繁盛トレンドデータ◆ 『蒼庵』 東京都渋谷区広尾5-17-11アーパス広尾101 TEL/FAX:03-5789-3290 最寄り駅:日比谷線広尾駅より徒歩5分 http://www.mtil-style.com |