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第9回(入りにくくすることでリピーターを増やす)「ikra(イクラ)」

「社長の繁盛トレンド通信」

◆ikraイクラ◆


入りにくくすることでリピーターを増やす

 


 


「ikra」のあるオートロックマンション

2階のガラス越しに、店の様子がかすかに見えている。看板はない
 

ビルの1階には鍵がかかっている。

インターホンを押すと、スタッフが応答し、ドアを開けてもらえる




「ikra」の店内。

テーブルをゆったりと配置し、ソファ席も用意することで、気兼ねなくくつろげる空間を作りだしている
 
 

 多くの中小飲食店が、リピーターの獲得に力を入れ始めた。
料理の質を上げる、マニュアル接客をやめる、ポイントカードを発行する…。
さまざまな手だてを講じているようだ。

 そんななか、東京・恵比寿のダイニング『ikra(イクラ)』は、
「入口に鍵をかける」ことで、多くのリピーターを掴んでいる。


 店は、恵比寿駅近くのオートロック商業ビルの2階。
壁面のすりガラス越しに、客やテーブルがうっすらと見える。
しかし、1階の入口に鍵がかかっている上、看板もないので、本当に店なのか分からない。
知らない人は、引き返してしまうだろう。


 しかし、実際は、入口のオートロックパネルで呼べば、すぐにドアを開けてもらえる。
店の存在を知る客は、友人や彼女を連れてくれば、得意な気分になれるわけだ。

このような演出が受け、今では数ヶ月先まで予約が入る状況になった。
このような仕組みだから、リピーターは多く、客の約8割を占めている。


 この店を開いたのは、さまざまな飲食店を経営している(株)フォーム。
以前からビルの5階で店を営んでいた知人から、空きフロアがあることを聞き、2年前に出店した。


 開業当初はスタッフの知人がパラパラ来る程度だったが、広告はあえて打たなかった。
オートロックパネルの前まで来て引き返す客を見ても、呼び止めるのをガマンしたという。


 リピーターを獲得できたのは、新鮮な魚介類を使った料理や、
店内の落ち着いた雰囲気も、大きな要因だろう。


 しかし、それだけなら、同様の店はゴマンとある。
入店を演出し、得意な気分になりたい客の心をくすぐったからこそ、
自慢の料理や雰囲気の良さを生かすことができたわけだ。


 「商品・サービスに自信があるのに、リピーターがなかなか増えない…」。
そんな悩みの多くは"商品を売るまでの段階"を工夫することで解消できるのかもしれない。

これは、飲食店に限った話ではないだろう。
(カデナクリエイト/杉山直隆)


◆ 社長の繁盛トレンドデータ◆

『DINING ROOM ikra(イクラ)』

東京都渋谷区恵比寿南1-9-4 長谷川力ビル2F

TEL:03-5704-8852

最寄り駅「恵比寿」駅より徒歩5分

http://www.ikra.jp

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