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人間学・古典

第18講 「言志四録その18」
権豪に近づきて、名を落とすべからず。

先人の名句名言の教え 東洋思想に学ぶ経営学

【意味】
権力者に近付いて自分の名誉を汚してはならない。


【解説】
この言葉の前には、「非類に交わりて、名を壊るべからず」とあります。
非類とは友として相応しくない者をいいます。

近くの飲み屋で喧嘩がありました。
三人連れの若者が仲裁に入った者を刺殺して逃走してしまいました。
誰かがナイフを持ち歩くことを止めていれば大事には至らなかったはずです。
交友関係も相手をしっかり選ばないと、自分の一生を狂わせるだけでなく一族の名誉を汚すことになります。


権力者や高級官僚にも妄りに近づかない方が良いでしょう。
実業界にはこの種の人達と係わり合いを持つ事が、一種のステータスで成功の秘訣と思っている人も少なくないようです。
しかし、民間人の活動は長く彼らの任期は短いですから、一時的な権勢に迎合してもなかなかうまくはいきません。

またこのような当事者の行動を内面品性からの問題として問うならば、
「権勢に迎合してうまい汁を 吸おうとする根性」を持つことが、実業の精神から外れているということになります。
独立自尊の精神に欠けている者が、真の実業家にはなれないということで す。

この種の実業家と悪徳政治家や悪徳官僚が結びつき、税金を無駄遣いし、政治機構も官僚機構も駄目にしてしまいます。
しかも何れの当事者も泥棒と違って悪の意識はさらさらありませんから、
事が露見しますととんでもない税金の無駄遣いとなってしまいます。


戦後の高度経済成長期には経済復興第一でしたから、産官一体となってうやむやに
されてきたことが、利権の体質を育てる土壌を根付かせることになったようです。

しかし最近になり倫理観が厳しく問われる時代になってきましたから、
内部告発などによって 白日の下に曝されることが多くなりました。
ローリスク・ハイリターンであった両者の利権関係が、ハイリスク・ローリターンの時代になってきたわけです。
財政再建のツケを少しでも減少するためには、タカリ体質やばら撒き体質の
政治体制から脱却して真面目な社会体制を築いていきたいものです。


学問に王道がないように、世直しも安易な近道はありません。
『自分の国の未来への道は、国民一人ひとりが開拓する覚悟』がなければなりません。
このように申し上げますと、一部の方々は「自分一人が少しばかりの正義感を持っても、所詮世の中は変わらな い!」
と平気で弱気発言を口にし、自ら自己卑下して殻の中から出ようとしません。
しかしこの考え方は自らを粗末するばかりでなく、社会や国までもダメにしてしまいます。

次の言葉は、英国の天文学者ハーシェルが20才の誕生日に友人に語った言葉です。
私共の学園の学生手帳に掲載し、常に口に出している言葉ですが、
素晴らしい言葉ですので、心から皆さんに贈呈を申し上げます。

    『我が愛する友よ、
        我々が死ぬ時には、我々が生まれた時よりも、
            世の中を少しなりとも良くしていこうではないか』 (英国の天文学者ハーシェル)

 

杉山巌海

第17講 「言志四録その17」上官たる者、事物において嗜好無かるべし。ただ義を嗜み善を好むは、厭わざるのみ。前のページ

第19講 「言志四録その19」暁に早起を要し、夜に熟睡を要す。次のページ

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