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戦略・戦術

第241号 攻勢を続けるアマゾンの自前配送

社長のための“儲かる通販”戦略視点

 荷物の急増と人手不足から、物流業界が大きな事業転換を断行する最中、アマゾンジャパンは自社の物流網を使って商品を効率的に配送する仕組みを導入。今年4 月から有料会員向けサービス「プライムナウ」(年会費3,900 円)で、日本橋三越、マツモトキヨシ(南砂店)、ココカラファイン(中延店)が取り扱う商品の配送をスタートさせている。
 
 アマゾンの通常のネット通販では、商品の多くを自社の倉庫からヤマト運輸などの宅配便で配送している。一方、プライムナウでは、商品の配達にアマゾンが契約した物流会社の専用車を利用して、プライムナウ専用倉庫から配達しており、その専用車が提携先の店舗に立ち寄って商品をピックアップし、プライム会員に届ける仕組みを加えたわけだ。3 社の合計商品数は約1 万1000 点で、プライムナウの取扱商品は最大7万点以上になる見込みだ。まずは提携先の店舗が近くにある東京23 区、神奈川県、千葉県の一部地域が対象エリアとなる。
 
 さらに同時期、生鮮食品配送サービス「アマゾンフレッシュ」も開始している。こちらも別に月額500 円の会費を支払ったプライム会員だけが利用できるサービスで、野菜や果物、鮮魚などをはじめ、冷蔵・冷凍食品も取り扱っている。今のところ、対象エリアは東京23 区の限られた地域のみだ。
 
 ヤマト運輸が配送料の値上げや当日配送の受託をやめる方針を固めるなど、アマゾンには逆風も吹くが、自社専用の物流網を活用して、短時間で届けられる商品の拡充を推し進めている。攻勢の手を緩めることなく、次々に新サービスを開始しているアマゾン。社会問題化している物流業界の難題をクリアして、どのように配送サービスの向上を図っていくのか見守りたい。
 
 
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