企業を訪問すると、壁にスローガンや目標が掲げてあるのが目につく。
「社員のモラール高揚」とか、「努力と実力」「自主性の尊重」「コスト低減」「和と調和」等々、例は枚挙にいとまがない。
こういった目標自体、まことに結構なことだが、果たしてそれを具体的にどう遂行するかというアクション・プランは
あるのだろ うかと、自分の会社のことをタナに上げて気に掛かる。
このアクション・プランで特に大切なのが“How”または“How To”だと思っている。
とかく日本人(特にインテリをもって自任する人)は、“ハウ・ツーもの”と称して、“ハウ・ツー”をかるくみがちである。
企業の中で、ビジョンとか企業哲学とか理念とかいう言葉が飛び交うが、これら一連のものと同じ重みで
“How To”すなわち、具体的なアクション・プランは重視されてよい。
〈基本〉は当然大切だが、基本は基本、理論はとかく理論で終わってしまうとなると、
これは評論家の域を一歩も脱しないことに なってしまう。
〈実践〉が大事で、そのためにはハウ・ツーがなければならない。
例えば、「コスト低減」は、“何月何日までにコストを何パーセント下げる。
その為には、いつ、誰が、どのように、何をする” というように考えてこそ初めて、実行を前提としての目標になる。
簡単なチェックとしてよく用いられるのは、なぜなのかという“Why”と、何をやるのかという“What”が出たら、
自動的にWhen、Who、Whereの3つを考えて、最後にHowを、つまり5W1Hを押さえながら行う方法で、
こうすれば、少なくとも基本的な見落としは避 けられ、アクションにまで結びつけることができるはずである。
新 将命