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- 第133回 『時間の穴』
英語で「hole in the day」という言い方がある。
「一日の時間の中にぽっかりと開いた穴」という意味だ。
起きている時間は、一日17時間としても、このほとんどが、
予定された「ブロック時間」である。
会社の就業時間だけでなく、
アフターファイブのつきあいに使う時間もそうだ。
会社が決めたのか、自分が決めたのか、
あるいは上司が決めたのか…は別として、
自分の意志では自由にならない時間である。
しかし、よくよく探してみると、
自分の意志で自由になる時間も案外、あるものだ。
それが、「時間の穴」である。
たとえば、次のようなときが「時間の穴」となる。
●通勤時間:
長距離通勤ならば、往復で3~4時間ある人もいるだろう。
軽いほんの1冊くらいは読めてしまう。
●昼休み:
1時間たっぷりかけて食事をする必要はない。
食事が20分とすれば、40分は別のことに使える。
●訪問先への移動:
電車で移動すれば、数十分の時間はできる。
私の場合には、毎日の通勤電車の中で、本や書類を読んだ。
電車は、最高の書斎だ。
まとまった時間としては、出張するときの往復の移動時間や、
飛行機の待ち時間などもある。これらも貴重である。
「時間の穴」を合計すると、
誰でも一日に数時間の「自由になる時間」をもっている。
さらにこれを365日で積算すれば、膨大な時間の量となる。
実際に計算してみよう。
仮に一日あたりの「時間の穴」が1時間だとしても、
一か月で30時間、一年間で365時間になる。
さらにこれを、一日の稼働時間である17時間で割ってみる。
●1時間(一日あたりの時間の穴)×365日÷17時間≒21.5日
これは、一か月から土曜日と日曜日を除いた日数とほぼ同じだ。
一日1時間を有効に利用すれば、一年間が13か月になるということだ。
さらにそれを12年続ければ、一年分もの違いが出てくる。
一日1時間の穴にして、この数字である。
人によっては、もっと多くの時間をつくりだすことができる。
この穴は、あなどれない。