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- 第185回 『情熱の火を消さないためにリーダーがなすべきこと』
私は経営者の条件の中で最も重要なのは『情熱』である、と信じている。
「我が社を優れた企業に創り上げよう」という
燃えるような思い、志、決意、野望、願望が心の中にあるということで、
ひと言でいえば『トップのヤル気』ということになる。
経営の理屈や手法は後からついてくる。
情熱という面で、人間は3つのグループに分けられる。
第一は、「自ら燃える人」である。
人から何も言われなくても自分で自分の心に火をつけているという≪自燃型人間≫で、
これがビジネスマン全体の3~5%を占める。
経営者は当然このグループに属す人でなければならない。
第二は、「自分からは燃えないが、誰かがマッチを擦ってくれれば燃える」という人である。
さしずめ≪可燃型人間≫とでも称すべき人たちで、全体の80%以上はこの部類に属する。
第三は、「自分からは燃えないし、マッチを擦っても金輪際燃えない」という
≪不燃型人間≫である。
自燃型人間と同じく、こういう人たちも全体の3~5%くらいを占めるようだ。
ある親しい友人から指摘されて気づいたのだが、
前述の≪自燃型人間≫≪可燃型人間≫≪不燃型人間≫に加えてもうひとつ、
≪消化型人間≫というタイプもあった。
せっかく燃えている人の心を消して回るという、人罪のことである。
まさに「人それぞれ」という気がしてくる。
話を元に戻すと、
「優れた経営者やリーダーは自燃型人間でなければならない」
ということである。
だがここで肝心なのは、情熱の火は夏のように瞬間的なものであってはならず、
オリンピックの聖火の如く延々と燃え続けなければならない、ということである。
そこで出てくるのが、
「いったん燃えた情熱の火を消さないためには何をしたらよいのか?」
という問題である。
そもそも情熱の持続する妙手・妙策などが、この世に存在するのか?・・・
実は「ある!2つある!!」というのが私の持論である。
何といっても需要なのは、「長短期の納得目標を追い続ける」ということである。
『納得目標』とは人からの押し付けではなく
自分が意義や価値を認めている目標だから、心理的抵抗は皆無である。
納得目標を行動計画に落とし込んで追い続けている間は、
情熱の火が消えることはあり得ない。
要は、自分の人生を責任をもってマネージする姿勢があるか無いか…の差ともいえる。
次に霊験あらたかなのは、「情熱の火を分けてくれる人と付き合う」ということである。
人間には、元気、勇気、活気、ヤル気などの『気』を
分けてくれる人と奪ってしまう人との二種類がある。
どうせ限られた時間の中で限られた人としか付き合えないのだから、
熱や気をくれる元気な人と接するに越したことはない。
以上の『目標』と『人』を実践に移すと、情熱の火はオリンピックの聖火となる。