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マネジメント

第184回 『企業の社会的責任(CSR)を形骸化させない6ション』

社長の右腕をつくる 人と組織を動かす

21世紀に入ってから定着したビジネス語に
『企業の社会的責任(CSR:CORPORATE SOCIAL RESPONSIBILITY)』という言葉がある。
 
企業は事業を推進する中で、株主、従業員、取引先、消費者、社会、環境等を含んだ
ステークホルダーに対する責任を果たさなければならない…というCSRの考え方は、
基本的には70年代から言われたいたことで、何の新味もない。
 
従来と違う点があるとすれば、あらまほしきCSRとは、
 「我が社のステークホルダーから支持され、
  持続的成長・発展を図るための企業戦略の一部」
という機能的なスタンスに基づいたものであるべきだといういうことだろう。
 
技術的な詳細を並べ立てればきりがないので、
ここではCSRが「生きた」ものであるための
6つのション(TION)について私の考えを述べたい。
 
1.=信念(CONVICTION)=
CSRは必要悪ではなく、我が社の持続的成長を促すための必要善である、
という信念や確信が大半の社員の心の中にあるということである。
まず人をCONVINCE(その気にさせる)することがスタートとなる。
 
2.=動機(MOTIVATION)=
信念があれば動機が高まってくる。
まず「その気にさせて」、次に「やる気を起こさせる」ための
教育や訓練がきちんと行われている。
 
3.=実行(IMPLEMENTATION)=
CSRは「説くもの」ではないし、「書くもの」でもない。「行うもの」である。
「WALK THE TALK」「有言実行」という表現が頭に浮かぶ。
 
4.=方向性(DIRECTION)=
前述の3つのションは、方向性というションの中に位置づけられていなければならない。
肝要なのは、トップ主導型の方向性である。
方向性は、「ビジョン」「目標」「戦略」の3点セットから成る。
羅針盤の操作が巧みでも船の行方が分からなければ正しい持続性は覚束ない。
「企業戦略の一環としてのCSR」であることが「生きたCSR」の最重要条件である。
 
5.=コミュニケーション(COMMUNICATION)=
1から4までの4つのションが実現するプロセスには、
ステークホルダーとの十分な双方向的コミュニケーションが必要である。
とくに、「ステークホルダーンの声に積極的に耳を傾ける」という
「積極傾聴」の姿勢が求められる。
 
「生きたCSR」は、一時の盛り上がりや期限付きのプログラムであってはならない。
始めはあるが終わりのないプロセスでなければならない。
 
そこでもうひとつの「ション」を加えるとすれば、
 
6.=継続(CONTINUATION)=
ということになる。
 
 
以上の6つのションが整ったときに、
我が社のCSRには心が通い、「生きたCSR」になる。
 
国連サミットでの採択から4年目を迎える「SDGs」に対しても、
一過性で終わらせない我が社としての取り組みを考え、行動していただきたい。

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