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社員教育・営業

第89回 コミュニケーション上手になる仕事の進め方 9

デキル社員に育てる! 社員教育の決め手

「仕事のすすめ方
◆仕事を円滑にすすめる「コミュニケーションのスキル」◆

 

前回は『電話テスト』の様子をお話いたしました。今回は対面でも電話でも話すときに、皆様が共通してあまり意識をしていない「間」(ま)についてです。

どなたも「間」という言葉はご存じでしょうが、「間」と言っても様々な状況によって異なってきます。字のとおり間(あいだ)をあけるのですが、まず覚えていただきたいのは「句読点」で「間」をあけます。一般的に「読点」で一拍、「句点」で二拍あけます。一つの意味のまとまりで「間」をあけると聞き手はとても聞きやすくなります。
 
●「間」には、いくつかの効用があります。
・聞き手は耳から聞いた情報をすぐに解釈しないで、一旦、脳に留めます。そして0.45秒以上の「間」があったとき、その「間」で留めた情報を解釈します。相手に考える時間を与えるということです。もし、この「間」がなく次から次に話をしてしまうと、聞き手は理解をする時間がありません。理解して欲しいセンテンスのすぐ後には、しっかり「間」を入れてください。話し手がどんなに素晴らしい内容の話をしても、「間」のない話が続くと、残念ながら言葉が耳に音として流れるだけになってしまいます。理解をしてもらえなければ伝えたことになりません。(もちろん、聞き手の理解度もありますから、様子をみながら、すぐに次のセンテンスを続けることも可能です)。
 
時折、言った、言わないというトラブルが起こりますが、「間」の問題も関係するのではないでしょうか。話し手にとって0.45秒以上黙っているのは大変長く感じますが、聞き手にとっては理解に要する時間ですから決して長くは感じません。
 
●次の効用です。「間」を取ることによって、そのあとに発する言葉を際立たせることができます。何という言葉が次に続くのだろうと相手が期待をして待つ時間が「間」になるのです。
例えば、営業マンが商品A・B・Cの説明をしたとします。それぞれのメリット、デメリットを説明した上で「私どものおすすめはAです」というより、「私どものお奨めは(0,45秒以上の「間」をあけて)Aです」と言うと、Aを相手に効果的かつ印象的に伝えることができます。
 
●最後に、「間」を取ることで「間」そのものが余韻や情感を表現することができます。さらに頭の中で今聞いたことの情景をはっきり浮かべることができます。
例えば、会社までの道順を電話で問い合わせたときの説明では、この「間」はとても大切です。聞き手の頭の中に地図がかけるために「間」を取ることが大切です。
 
「間」の効用を述べてきましたが、自分は気を付けてもどうしても早口になってしまうという人は特に「間」を意識して下さい。センテンスとセンテンスのあいだに、しっかり「間」を入れるとブレーキになり、聞き手の理解を深めることができるのです。
 
「間」の効用をよく理解し意識的に「間」を上手に使うと、同じ話でも分かりやすく聞きやすくなります。「間」をマスターすることは話し方の注意点の中でも難しい課題です。
 
「間」を取るためのトレーニングをして、まず一語一語ゆっくりとお話することから始めて下さい。例えば相手に商品内容を伝える場合「立て板に水」で急いで話すことが説得力とはならないことを理解していただきたいと思います。
 
 
 
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