小さな会社がより強くなるためのルールがあるのです。
会社の業績を長期的に良くするには「どのような考え方」で経営をするのか、あるいはどのような価値基準で意思決定をするかについて、ルール化しておく必要があります。
ルール化しておくと、変化にいち早く対応ができるばかりか、社内の意思統一もしやすくなるので、それだけ業績が良くなるのです。
中小企業庁で公開されている中小企業白書の原因別倒産状況には、販売不振がダントツに多く記されていました。
いつの時代でも小さな会社の経営環境は厳しい立場にあるものです。
先日、業績の課題について経営者にヒアリングしてみると「安定受注するための方法を知りたい」、「カラダだけ忙しくて、たいした利益が出ていない」「利益性の高い仕事をしたい」など、さまざまな要望がありました。
まず、この課題の主語に注目していただきたいのです。
「安定受注するための方法を知りたい」
「カラダだけ忙しくて、たいした利益が出ていない」
「利益性の高い仕事をしたい」
「安定受注するための方法を知りたい」という課題の主語はどこにあるのでしょうか?
そう自分の会社です。
言語はその人の経験や知識、知恵から創り出されていますから、言葉にはその人の意識や考えがそのまま表現されているものです。
つまりこれらの課題は自社起点の言葉で書かれているということです。
間違いの始まりはここにあるのです。
業績の悪い会社の社長に共通することは、自分のことばかりを考えていて、お客さまの立場を考えていないばかりか、ライバル会社のことも考えていないことになります。
経営について考えるときは、お客さまを起点にしたお客視点の考え方でなければならないのです。
なぜなら、どこからモノを買うのか、すべての決定権はお客さまにあるからです。
お客さまが100%で、モノを販売する側の決定件は1%もありません。もちろんライバル会社も同様です。
これは絶対原則です。
以上のことから、先ほどの課題をもう一度クローズアップしてみましょう。
お客視点で考えると言葉や表現の意味合いが変わります。
「安定受注するための方法を知りたい」はどうなるでしょうか?
「お客さまが私たちの会社(商品やサービス、技術やノウハウ)を継続的に選んでくれるための方法を知る」ということになります。
たくさんのライバル会社の中からあなたの会社は選ばれたのです。
つまり、あなたの会社はお客さまに選ばれた結果、商品の受注が増えているということなのです。
さて最後に、お客様に選ばれている理由があなたの会社の価値となります。
お客さまから選ばれた理由や根拠、それがあなたの会社の価値なのです。
あなたの会社がお客さまに選ばれている理由はなんですか?