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第34講 事例を使ってクレーム対応の間違いと、最善の対応を学ぶ(3)
~通販のクッキーが届くと思っていた日に届かなかった!もう必要がないので返品したい~

クレーム対応 実践マニュアル

お客様:50歳くらいの女性(主婦・奥様)
お申し出方法:お電話
お申し出日時:月曜日の朝10時
受け付けた窓口:通販会社のオペレーター
商品:返品お断りの条件付きの1袋315円の小袋クッキー50袋ご注文
 この時に、『祖供養』のお熨斗を50個に貼付するように指示があり、標準対応内なので受付けた。


主なお申し出内容:
到着日時指定はできないが、注文してから2~3日で届くということで、通販の小袋クッキーを12月10日に50袋注文をした。到着したのは、12月13日の夕方。「注文してから2~3日ということは、12月12日に届くのが常識ではないか」「12月13日の夕方到着は遅い」というお話しから、「12月13日のお昼間の法事に使いたかった」「法事の主催者から頼まれて注文をした」「到着した時は、もう法事が終っていたので、返品しますから返金してください」との要望が浮き彫りになってきた。

担当者は、『12月10日から2~3日というので、12月13日は範囲内の日程である』『時間指定はできないことは最初にご理解いただいているはず』『製品に問題がなければ返品は受け付けない商品であることは最初にご理解いただいてるはず』等のご説明をていねいにした。

だが、一向に怒りは収まらず、さらに、参列者に配るはずだったクッキーが届かなかったので、あわてて近所の菓子店に走り、あまり気に入らないお菓子だったがやむをえずそれを50袋買って用意した。急に50個も手ごろな価格の物が用意できないという菓子店の状況もあり、1つ630円のものを50個購入することになった。その金額31500円も負担してほしい。それができないなら、予算をはみ出した1個315円×50個=15750円は負担してほしい。とのご希望がつきつけられた。

製品に問題があったわけではないことと、到着日も規定範囲内だったことから、会社側には問題がないので、ご希望の返品・返金の31500円も、さらに急いでご用意なさったお菓子で予算をはみ出した金額15750円の負担も、対応できないことをお話しした。

しかし、ご希望を引き下げていただけず、会話はどんどんヒステリックになられるので、とにかく一度検討するということで、ひとまずお電話を切らせていただいた。


求めたいアドバイス:
ご希望の金銭対応をしなければならない理由がないので、どのように理解をしてもらえば良いのでしょうか?


アドバイス:

(1)問題は、到着日時に事前にご理解をいただいていたことや、製品に問題がなければ返品が受け付けられないことをご理解いただいていることの説得が、解決ではありません。

(2)このお客様の本音を感じなければならないのは『50個』『法事』『法事の主催者から頼まれた』ということです。
つまり、『50人』というたくさんの方に対してご迷惑をかけることになったかもしれないヒヤリ感と、『法事の主催者に頼まれた』のに、その役割を果たせなかったことによる人間関係の問題、『法事』という特殊な状況で発生した到着するまでのさまざまな、思い、声、関係性などに、心を痛めているということです。

(3)到着するまでのその焦り感が、苛立ちになり、腹立ちになっていると考えるべきです。

(4)このようなお気持ちを察した対応をしなければ、相手は引きさがりません。それは、実は金銭対応ではないのです。お客様のお話しは金銭対応を求めているように聞こえますが、それはご自分の気持ちを晴らす代償として、提示されていることです。

(5)結論を言いますと、『到着日時の問題』は会社側にありませんので、金銭対応をする必要はありません。

(6)『製品に問題』もありませんので、返品を受けたり、改めてお買い物されたお菓子の料金もお支払いする必要はありません。

(7)ただ、『50個』『祖供養』ののし貼付の商品注文があった時点で、「お使いになるのは、何日の何時でございますか?」と確認をし、ご希望の時間に間に合うかどうかのお話しをすることが必要でした。

(8)まずは、そのような配慮のある確認をしていなかったことを、しっかりと口頭でお詫びをすることが必要です。
「私共も、50個もおのし付きでご注文いただきながら、ご使用日時の確認をさせていただかなかったことは、受付時に配慮に欠けていたと言わざるをえません。誠に申し訳ございませんでした」。

(9)さらに、『主催者』の役割を果たせなかったお気持ちが最大のお困りなのだろうと察して、「私共から、確認の配慮に欠けていたことを主催者様に、お詫びとご説明をさせていただきたいと思いますがいかがでしょう?」と、その人間関係の修復に力を注ぐための提案をしてください。

(10)今回の事例のように、相手が多い、上位者からの依頼だった、一定の期間に必要だったという問題は、お申立て者の方だけにお詫びをするだけでは不足です。その方が、心に負担を感じている他の方にも、『説明不足』『配慮にかけていた受付』というポイントをお詫びさせてほしいと提案をすることをお勧めします。

製品や、受け渡しについて会社側に問題がないのですから、あくまでも、『説明不足』『配慮にかけていた受付』というポイントについて、お詫びをすることを覚えておいてください。

中村友妃子          


※用いた事例は、実際事例ではなく、よくある事例を基本にして、講師が、独自に作成した事例であることを
ご了承ください。

 

※中村友妃子講師のクレーム対応教材「クレーム対応の基本」シリーズMP3・CD・DVD はこちら

 

第33講 事例を使ってクレーム対応の間違いと、最善の対応を学ぶ(2) ~この成分はいつから配合したのか?それはどのような理由か?~前のページ

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