クレーム対応に直面した担当者にいつも求められている心構えは、
『誠意をもって』『相手の身になって』『ていねいで親切』にというキーワード。
でも
『これらのキーワードはもう耳にたこができるほど聞かされてきました!』
と担当者のあなたは言いたいでしょうし、
『これらのキーワードを実践してきたけどうまくいった実感がありません!』
と声を張り上げたいのが本音のところではありませんか?
『誠意をもって』やればやるほど相手は付け上がる、
『相手の身に』なったところでできる対応の限度は決められているので結果的には
『ていねいで親切』な対応だと満足してもらえることが少ない。
というのが担当者の本音であり、結局得策が見つからないというジレンマに苦しんでいるのが現実だと思います。
だからと言って『誠意をもって』『相手の身になって』『ていねいで親切』にという心構えは
忘れてはいけませんが、その前に担当者に最も必要なのは『主導権』をもつことなのです。
そもそも、自社の製品を買ってくださったお客様に満足を与えられなかった心苦しさから
担当者のあなたは、『叱られてもしかたがない立場』だとあきらめていませんか?
そのせいで、声も弱弱しく、言葉も短めで、消極的な態度で会話をすることが好ましいと勘違いしていませんか?
その頼りなさに、気配りのなさに、汗のかかなさが相手の次の怒りにバトンを渡していることを知っていますか?
『消費者』と『企業』の関係性は、『企業』のほうに主導権が備わっているほうが順調に自体は運びます。
なぜなら、『企業』のほうが『商品知識』や『商品に関する情報』『法律』『消費者動向』『クレーム対応の失敗事例と成功事例』
などの引き出しをたくさん持っているはずだからです。
つまりは、引き出しの多いほうが、引き出しの少ない人の考えをくみとって、
どの引き出しを開けるのが好ましいのかの判断をすることが、間違いのない結果に到達する可能性が高いのです。
でも、『うちの会社は、引きだしじたいが少ない』ということならそれは、
『勉強不足』と『社外活動不足』に蝕まれている結果ですから、
もともとクレーム対応を成功させることじたいが困難なわけで、
遅ればせながら『勉強』と『活動』を続けることをお薦めします。
中村友妃子