クレーム対応成功の法則『親身的対応7つの手順』
(※秀和システム刊 『ポケット図解 クレーム対応のポイントがわかる本』より、一部抜粋と加筆)
あらすじの次は『グリーティングの3段論論法』で『好感度』と『主導権』を引きつける。
『グリーティング』とは、『目的をもったあいさつ』のこと。この時の目的は2つ。
関わりの最初に生まれる『好感度を得る』ことと、『主導権を渡しきらない』こと。
クレーム対応の『主導権』は担当者がもたなくては、お互いが好ましい結果にはならない。
企業とお客様の上下関係は複雑なもので、表面的にはお客様が上位であることはとても大切なことですが、実質的にはそれは好ましいことではありません。なぜなら、その製品やその契約問題について高い知識を持っているのは企業の方だからです。クレーム対応では、会話の流れの中でお申し出者が上位という形をとっていくことになりますが、だからと言って本当にお申し出者に主導権を渡してしまうと、お互い迷路に迷うような対応になります。つまり、あくまでも企業の担当者が主導権を持って対応することが重要です。ただ、頭ごなしにお申し出者から主導権を奪うことはできません。担当者はテクニックを使って自然に主導権を手に入れることをしなければ、のんびりしていては主導権を引き寄せることはできないのです。
『相手より先に』+『好感発声の3原則で』+『長い文言であいさつ』=『主導権を任される』
主導権が転がり込む条件は3つです。
『相手より先に』『好感発声の3原則の声で』『長い文言であいさつをする』ことです。ですから担当者は、お申し出者の簡単なあらすじに区切りがついたら、長い文言であいさつしなければいけません。ただ、現状はあいさつをしないで、製品番号を聞いたり、購入日を尋ねたりすることが多いのが現実です。担当者はあらすじを聞きながら、次の長いあいさつは何を言うべきかを考えておくことが重要です。もちろんお申し出者の心に響く言葉が効果的ですから、じっくりとあらすじに聞き耳を立てることです。