menu

経営者のための最新情報

実務家・専門家
”声””文字”のコラムを毎週更新!

文字の大きさ

社員教育・営業

第12講 お客様の言葉を、まともに受け止めない!

クレーム対応の新知識と新常識

お客様の言葉を、まともに受け止めない!お客様だって、興奮のあまり口がすべる。担当者は、『聴く』ことばかりが大切なのではなく『聞き流す』ことも大切。

 お客様に『社長を出せ!』と言われて『上司は出せません!』と答える。また『訴える!』と言われて『お止めになってください』とお願いをする。
 「もっと詳しく成分説明をしてほしい」と言われて必死で、消費者に必要がない専門的な成分説明をする。
『5分で謝りに来なさい!』と言われて『5分では行けません』と答える。
『あなたが謝りに来なさい』と言われて、『私は内勤ですので、お伺いできません」と答える。

 これらの対応は、クレーム対応担当者としてスキルのない人がやることです。

 なぜなら、お客様は、そうしてほしいと思っていないことをわかっていないからです。そう言いたくなるほど、腹が立つということはあるでしょう。

 しかし、上司を出してほしいのでもなく、訴えたいのでもなく、専門的な説明をしてほしいのでもなく、5分で来てほしいのでもなく、クレーム対応担当者のあなたを限定して、謝罪訪問を求めているのではないのです。まして、企業側として、担当者として、行うことができないことです。

 結論から先に言うと、受け流してください。

 ここで、私が言いたいのは、企業側、担当者側が行えないことを求められているので、受け流しなさいと言っているのではないのです。お客様が本当は求めていないことなので、受け流しなさいと言っているのです。

 世の中のお客様のほとんどは、普通の人です。でも、普通の人の中にも、言葉が汚い人や、態度が悪い人、攻撃的にものをいう人など、担当者としては安心して会話ができない人がたくさんいるのです。

 つまり、悪気なく、いじわるなことを言う人が、普通の人の中にもいると言うことです。そんな人のいちゃもんは、怒りのあまり、いら立っているがあまり、口がすべっただけのこと。

 だから、まともに受け止めてはいけません。お客様本人も受け流されておわることを想定しているのです。クレーム対応担当者のあなたは、お客様の話しを聴きましょうという指導を受けてきたと思います。もちろんそれは大切なこと。でも、もうひとつ『聞き流す』ことも大切だということを知っておいてください。

 それでは、どうやって受け流すのかについてですが、1つめは、相手に質問で返すこと。2つめは、相手に共感や慰労の相槌をぼんやりうつこと、3つ目は「はあ・・」「ええ・・」とぼんやりとしておくことです。つまり、相手の話しに答えないことです。そして、話題を変えること。ぼんやりとした態度をとっていると、業を煮やして相手が話題を変えてくれます。それもクレーム対応の技術です。クレーム対応は、誠実な気持ちを使ってやるものではありません。

第11講 ネットに自分の会社のクレームを書き込まれることは、クレーム対応の通過儀礼前のページ

第13講 『カスタマーハラスメント企業対策』とは次のページ

関連セミナー・商品

  1. 月刊CD経営塾バックナンバー 2016年5月号

    音声・映像

    月刊CD経営塾バックナンバー 2016年5月号

  2. 「女性リーダー養成プログラム」ネット配信講座

    音声・映像

    「女性リーダー養成プログラム」ネット配信講座

  3. 製品・サービス別クレーム対応《家電・携帯電話篇》

    音声・映像

    製品・サービス別クレーム対応《家電・携帯電話篇》

関連記事

  1. 第3講 『お客様は神様です』は間違い。『消費者は弱者』も間違い。

  2. 第27講 カスタマーハランスメント対策の実務策⑭

  3. 第64講 クレーム対応のルールを間違って理解しているから失敗する(4)

最新の経営コラム

  1. 【昭和の大経営者】ソニー創業者・井深大の肉声

  2. 「生成AIを経営にどう活かすか」池田朋弘氏

  3. 朝礼・会議での「社長の3分間スピーチ」ネタ帳(2024年11月20日号)

ランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

新着情報メール

日本経営合理化協会では経営コラムや教材の最新情報をいち早くお届けするメールマガジンを発信しております。ご希望の方は下記よりご登録下さい。

emailメールマガジン登録する

新着情報

  1. キーワード

    第127回 AI戦国時代
  2. 経済・株式・資産

    第91話 米中首脳会談の舞台裏(上)
  3. マネジメント

    危機への対処術(9) フォークランド紛争と鉄の意志(マーガレット・サッチャー)
  4. 人間学・古典

    第81講 「帝王学その31」 凡そ事、皆すべからく本を務むべし。
  5. 戦略・戦術

    第220号 「個人消費」の未来像とは
keyboard_arrow_up