4月9日 米シカゴ発ケンタッキー州ルイビル行きの
ユナイテッド航空便に搭乗した乗客が、定員オーバーを理由に無理やり引きずり降ろされた問題が
ネットで話題になりました。
引きずりおろされた様子
時価総額約10億ドル(約1000億円)になったというから
今の世の中、悪いことも、良いことも
瞬間で広がる時代です。
このことから経営者が、考えておくべきことはなんでしょうか?
ユナイテッド航空の経営者は、コメントを発表し、謝罪をしているのですが
社内メモでは、ユナイテッド側の取った措置を擁護する姿勢を鮮明にし
「現場での判断を尊重する」ようなことを言ったそうです。
これが漏れたことも、非難の対象となりました。
経営者は、
従業員を誰よりも信頼することは非常に大事です。
私も、何かあれば、スタッフを徹底して守ろうと思います。
では、なぜそれが、こんなにも大きな問題になったのでしょうか?
同じ発言をよくしている航空会社に
サウスウエスト航空があります。
(サウスウエスト航空の社員と筆者)
そこのトップが、お客様からのクレームでこんな手紙を送ったことが有名になりました
お客様から
「サービスが丁寧ではなく、雑すぎる」というクレームです。
それに対して
「私は、現場のスタッフの行動を信頼しています。もし、丁寧な接客をお望みでしたら、他の航空会社をご利用ください」
と言ったコメントです。
(本社にて、トップのハーブさん掲示コーナー、陽気さがうかがえる)
2社とも同じような「現場を尊重する」内容ですが、
決定的に違うのは
お客様との約束 つまり、信頼関係があるか無いかの違いです。
サウスウエスト航空は
世界初のLCCであり、今も安い価格体系を大切にしています。
それがもっともお客様に取って一番のサービスであり、信頼だからです。
こんなエピソードがあったそうです。
「亀は持ち込めません」という案内に対し、困ったお客様に他のスタッフが
事務所で預かっておきましょうか?と言って、預かりました。
この機内アナウンスも有名です。
(とにかく社員が陽気です)
(休みの日に遊びに来た同僚の赤ちゃんを預かっているのとポーズを取ってくれた)
(空港内を見学させていただいたときに、機長が窓を開けて、握手のポーズ)

(本社にて遭遇、今もなお、何をしていたのか検討つかず)

最も大切にしたいお客様は、どんな人で、どうお客様と接することが良いかを
ちゃんと上から下まで理解し、それをやっているのです。
そこに、信頼が生まれます。
今回のユナイテッド航空のオーバーブッキング理由は
ユナイテッド航空の従業員4人を他の空港に移動させるためだったそうです。
乗っていただいていると思っている会社と、乗せてあげていると思っている会社。
この違いが大きいと思うのです。
では、
社員が駄目だったのでしょうか?
違います!!
どこを向いて仕事をするのが大切か!
これを社内に根付かせていなかったからです。
ユナイテッドのトップは現場で仕事をしているのでしょうか?
サウスウエスト航空のトップは時々現場に出て仕事をしているそうです。
そのため、現場の雰囲気をよくわかっているようです。
社内の最終的な決断は、現場でしかできません。それは、常日頃の雰囲気であり、それは、トップが作っていくものなのかもしれません。