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税務・会計

第31号 大増税時代突入!中小企業の不正が増加する

会社を守り抜くための緊急対策

 中小企業は誰も守ってはくれません。自らが守り抜くしかありません。
 しかし、環境は厳しくなっていきます。
 今後、消費税や相続税などの増税だけでなく社会保険料も増額されます。社会保険料は会社と従業員の折半ですが、中小企業の資金の流れを考えたとき、実質、全額会社負担になっているため会社の資金負担がさらに増加することになります。
 従って、資金調達策を今まで以上に真剣に考えなければならなくなってきました。
 また消費税や社会保険料などの増額は、従業員の可処分所得も減少するため、従業員の生活や士気にも少なからず影響することが予想されます。
 しかし、存在価値のある事業を継続していくためには、これらのことを言い訳にはできません。
 消費税は、2014年4月に8%、2015年10月に10%と引き上げられる予定です。平成23年度の新規発生滞納額は6,073億円でこのうち消費税は3,220億円となっており、その大半が中小零細個人事業者なのです。
 5%でも納税の資金繰りや価格転嫁で苦しんでいる中小企業が、どのような対策を取り実行していくかが今後の事業継続において重要になってきました。
 また、今後、消費増税に伴い、さらに滞納が増加していくことが予想されます。資金不足を借り入れで補てんしようと考えても金融機関の対策が不十分であれば借り入れもできませんし、安易な延命措置の借り入れをすればさらに苦しくなっていきます。そのため、しっかりとした金融機関対策をしなければ乗り切ることはできません。
 さらに、融資を受けている中小企業の経営者の86%が個人保証しているため、会社の倒産で個人保証をした経営者が全財産を失い、事業の立て直しが困難になるだけでなく、倒産した際は、財産を没収され、経営者の生活そのものが破綻しかねません。
 金融庁の方針として、条件が整えば、社長に個人保証を求めないなど融資条件の優遇が考えられています。
 社長の個人保証をなくすためには何をすべきかを知り、実践することが必要になってきます。この点については、すでにお話ししています。
 また、増税が中小企業の不正のきっかけになることが多いことも知っておかなければなりません。
 借り入れを行うために赤字を黒字にするなどの決算書や帳簿の改ざんや、可処分所得が減少する従業員が会社の金品を着服するようになります。
 不正には、決算書や帳簿を改ざんする「不正」と金品の着服つまり「横領」があります。「不正」には経営者が絡み、「横領」は主に社員が行います。「横領」は経営者が事前に回避できるものです。
 財務基盤が脆弱な中小企業で「不正」や「横領」が行われますと間違いなく倒産に向かうため事前に防がなければなりません。
 ところで、不正は、①動機・プレッシャー、②正当性、③機会の3つが揃ったときに発生します。
 増税は、まさに、不正が増える環境が整ったと言えるのです。
 ですから、経営者は、不正ができない環境、犯罪者を作らない環境を構築しなければならないのです。
 また、現に、不正や横領が行われている場合は、早急に解決していかなければならないのです。
 今回から、何回かに分けて、実際に不正発見の仕事をした都度、「不正・横領」の実態をお話ししながら、事前阻止策や発見のプロセスをお話しいたします。
 ところで、不正を発見してほしいと本当に依頼があるでしょうかと聞かれることがあります。それは私自身が驚いていることです。この10年間で年に5件から10件ほど、依頼があります。
 ただ、今年はいつもの様子が違っています。ペースが早いのです。2月中まですでに8件あります。
 原因は様々です。中には中小企業金融円滑化法や震災関連もあります。
 今後は、間違いなく、増税に関連した不正や横領は多くなっていきます。
 今回は、今年に入って依頼があった内容を確認しておきます。

◆不正を止めたいがどうしていいかわからないと社長からの依頼です。
 すでにやめられない金額まで達したためです。
 経理はもちろんこの事実を把握していますが、誰も口にしません。顧問税理士も知っていますが、早く手を切りたいようです。
 誰も、社長に、不正をやめなさいと言ってくれる人はいなかったようです。

◆顧問税理士から、顧問先の行っている不正を辞めさせたいがどのようアプローチで刷ればいいかわからない。自分が関与していることを絶対に口外しない人を探していたようです。

◆後継者である息子が、社長である父親が行っている決算書の改ざんを止めさせたいという依頼もありました。

◆これまでの10年間で一番多いのは、投資融資者です。中小企業の決算書は専門家から見れば正直に言いますと経営の実情を表していないものですが、その中でも決算が不透明な場合は、チェックしてほしいという依頼は当然のことかもしれません。

◆融資を受けるためにはどうしても決算の改ざんをしなければならない状況であり、どうしたらいいのか、と社長そして経理責任者からの依頼もあります。
 もちろん不正に加担することはご法度です。しかし、融資を受けられなければ倒産するしかないと真剣なのです。

◆中小企業金融円滑化法で返済の凍結をしてもらったが、結局、改善しなかったため、何とか、帳簿を改ざんしたいというものまであります。

◆震災関連の融資を受けるために、試算表や決算書を改ざんしたものの、そのままにしているが、基に戻したいというものもあります。

 以上が不正の話です。

それ以外に、従業員の横領の実行者の特定をしてほしい、横領の証拠を発見してほしいと、実行者(経理担当)自らからの依頼もあります。見つけられるものなら見つけてみろという挑戦状のようです。
 決算書改ざんなどの不正は当然ですが、社員の横領についても、全責任は社長にあります。 まず、このことをトップである社長が理解しなければ、いつまでたっても不正横領が発生する環境をなくすことは出来ません。


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第30号 社員が社長を理解できない訳前のページ

第32号 不正が起きる環境次のページ

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