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経済・株式・資産

第123回「中長期にわたる同社の成長シナリオが本格的にスタート」やまみ

深読み企業分析

今回紹介する銘柄は豆腐メーカーのやまみ(2820)です。当コラムを以前からご覧の方には極めて馴染みのある銘柄だと思います。初登場は2017年3月で、以来7回登場し、今回が8回目です。途中連載休止期間がありますからそれを除くとほぼ10カ月に1度の掲載です。

前回は2023年7月号で登場し、株価は1,331円でした。今の株価は3,390円ですから、半年で2.55倍です。ある面、繰り返し推奨していますので保有中の人もいると思いますから、そのフォローという意味合いもあります。しかし、実際はいよいよ中長期にわたる同社の成長シナリオが本格的にスタートして、まさにここからの業績拡大、株価上昇に弾みがつくだろうという考えで取り上げています。

当コラムのファンの方は耳にタコかもしれませんが、改めて同社の成長シナリオを簡単に説明します。同社は創業来、日本で唯一全製品を全自動で製造する豆腐メーカーです。本社のある広島中心に九州から中四国で展開していた同社が関西、中部に進出したのが2012年のことでした。

そして、あっという間に関西を制覇して、2019年には富士山麓に工場を建設し、関東進出を果たします。同じ大豆製品ですが豆腐と納豆のビジネスモデルは大きく異なります。納豆は常温商品で体積当たり重量が軽いため、工場を1か所作れば全国に販売できます。しかし、豆腐はチルドで、水のウエイトも大きく、体積当たりの重量が重く、遠くに運ぶにはコストがかかり過ぎます。よって、豆腐で全国メーカーはほとんどなく、現時点では同社がほぼ唯一の全国メーカーです。

関西に新規に進出した時は、関西のメーカーに軽く見られており、広島の片田舎の会社なんてどうせすぐ撤退するだろうと考えられたため、低価格品で最下段の棚を比較的やすやすと押さえることができました。そのため、進出初年度の増収率は14.6%、翌年度には26.4%と瞬く間に売上を増やし、2番手、3番手を撤退に追い込むほどでした。

しかし、関東進出時にはすでに関西での活躍で同社の企業力は知れ渡っていましたので、関東のメーカーが自社の利益を無視しても棚を守り通したこともあり、売上浸透にてこずりました。たまたま、2020年6月期の後半はコロナで需要が急拡大したため、16.2%増収とはなりましたが、翌年は7.7%増収にとどまりました。

しかし、豆腐メーカーにとって最大のコストである原油価格が上昇し、円安も進んだことで、安値で抵抗していた関東のメーカーも小売業に対して値上げ要請せざるを得なくなり、小売りからは同社へ注文が殺到し始めました。その結果、四半期ごとの増収率が2023年6月期第4四半期23.6%、2024年6月期第1四半期が24.1%と急拡大し始めました。

依然、原油高、円安が続いていて、同業他社は青息吐息ですが、同社のそれぞれの四半期の営業利益は2.3倍、2.8倍と急拡大しています。もちろん、これには関東工場の稼働率急向上や値上げなども大いに貢献しています。2024年6月期の会社計画は10.0%増収、15.5%営業増益で、EPSは117.0円です。そこから計算するとPERは29.0倍で、とても割安とは言えないと多くの人は思うでしょう。

しかし、第1四半期は豆腐の最不需要期ですが、通期の営業利益予想の12億円に対して、第1四半期ですでに4.14億円出ています。これに過去の四半期ごとの季節性を当てはめると、通期予想の営業利益は21.71億円、2.1倍となり、EPSは213.3円でPERが実は15.9倍です。カバーしているアナリストも中堅証券の1名で、ほとんど世間では認識されていません。よって、いよいよ今年は同社の中長期の株価上昇に弾みがつく年になるだろうと予想しています。

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