仕事でナゴヤドームの近くを通った時、「ゆとりーとライン」という路線の標識があり、「ナゴヤドーム前矢田」という高架の駅がありました。離れたところから見る、とモノレールかなと思える形でした。
気になったので駅の中に入ってみると、走っている車両はモノレールでも電車でもなく、下の写真のとおり普通のバスでした。「そうかこういう考え方ありか!」と思いました。何も電車である必要ないんですね、
これなら時間どおり走れますし、鉄道と比較するとコストも安いのかもしれません。そしてバスを見て驚いてしまった私の頭の固さにも気づきました ^ ^;) 。
ゆとりーとライン ホームページ
http://www.guideway.co.jp/
さて、先回で最強のモノづくりレベル5の説明を終え、今回から最高レベルであるレベル6の説明を始めます。以下、モノづくりのレベル1から6です。
レベル0:ダンゴ生産
レベル1:工程内の流れ
レベル2:工程間の流れ
レベル3:工場内の流れ
レベル4:工場間の流れ
レベル5:お客様への流れ
レベル6:一気通貫の流れ
モノづくりのレベルも、とうとう最終のところまでやってきました。これまでに、いろいろな改善を通じて在庫を減らし、リードタイムを短縮し、その結果マーケットとモノづくりの距離が大幅に短くなりました。
そして、いよいよ最後の仕上げです。レベル6では設計とのつながりを完成します。
これまでのところで、私たちはモノづくりとマーケットをしっかりつないできました。これは、今ある売れる商品を一番安くつくる方法を確立したということです。
しかし、これだけでは経営においての万全の準備ができたとはいえません。「経営とは、徹底したマーケティングと徹底したコストダウンを追及することだ」というのは、経営の神様である松下幸之助翁の言葉です。
確かに世界一安く、かつ品質が良くても、その商品に魅力がなくて一つも売れなければ、会社はつぶれます。つまり、「安くつくる」ということと、「売れるモノを開発する」の両方を実行できて、初めて最強のモノづくりができ、経営が安定すると言えるのです。
ところで、レベル5までは、今ある商品を最短のリードタイムでお客様にお届けする方法を考えました。そして、今回お話しするレベル6では、今ない商品を最短のリードタイムでお届けするということなのです。
このレベル6は、これまでの日本では必ずしもすべての中小企業がタッチする必要があるとは思われていなかった領域であったと思います。
例えば、大手の下請けで仕事をしていた場合、注文は親会社から来るわけで、特にマーケティングをする必要性はなかったと思います。マーケティングもしなければ新規開拓もしないで、経営が成り立ってきました。
なぜ成り立ったのかといえば、それは親会社が伸びていたからです。しかし、いったん親会社の伸びが止まり、更に業績が縮小方向に変われば、子会社は当然のように仕事が減ってくるのです。
現在の日本のマーケットは、人口の減少で確実に小さくなり、国内生産量は現地生産の増加でこれも小さくなっています。景気の循環でしばらくすると良くなるということとは違う面での現象です。
そう考えると、これまでマーケティングをすることの必要を感じなかった企業でも、始める必要が出てきているということです。
ということで、レベル6をみんなで学んで参りましょう。
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