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戦略・戦術

第63回『偶然を活かす』~事業飛躍は、計画では無く偶然~

継続経営 百話百行

今、偶然を活かすことが成功には不可欠ということを
よく目にするようになりました。
ビジネスの世界でも
成功した経営者などのは無しを聞くと
もっともだと納得することは多いが
それを真似するとうまくいくかというと
そうでもなく。
現に、成功した経営者が
新しいビジネスをして
それもうまくいったという話は
実は少ない。
あれだけ成功した、吉野家も
第2第3のブランドはできていない。
ある説によると
成功するのは偶然で
それを、どううまくいったかは
後からこうだった、あーだったと
いうことにより
あたかもそれが、成功法則になって
広がるというのだ。
実は本当の成功は
成功法則よりも
偶然を引き寄せた方が
確率が高くなるというのだ。
ものすごくかみ砕いて要約すると
失敗しても、挑戦し続ければ
いつかは当たる。
これが、本当の成功法則で
やり続ければ
偶然も引き寄せるということだ、

(1) 成功する人は偶然を味方にする

(成功する人は偶然を味方にする 運と成功の経済学
  ロバート・H・フランク 著より)
↓↓↓↓↓
物事が起こった後、それが予測可能だったと考える傾向を、
心理学で「後知恵バイアス」と呼ぶ。
社会学者のダンカン・ワッツは、
めったにない成功が起こった時はこれが強く働くと主張した。
そして、成功が必然であるかのように説明するのは、
ほとんどのケースで簡単にできるという。
だが、現実にはすべての出来事は、小さな出来事が複雑に絡み合った結果だ。
つまり
「人々は偶然を、論理正しく説明する」
ルーブル美術館を訪れた時のこと。
「モナ・リザ」にだけ人が群がっている。
調べてみると、「モナ・リザ」は、
かつてほとんど世に知られていなかった。
有名になったのは、1911 年の盗難事件からだ。
この事件は広く報道され、2 年後、イタリアのフィレンツェの
美術館に絵を売ろうとした犯人が逮捕されて解決をみた。
ところが、イタリア人は、絵画を本国に
返そうとした愛国者として犯人を称賛した。
フランス国民は強い衝撃を受け、
そして世界中の新聞がこの事件を取り上げ、
「モナ・リザ」は世界的名声を得た最初の美術品となった。
その時以来、西洋文化自体をも代表するようになったのである。
偶然が有名になった理由。
つまり
「偶然を引き寄せるのが重要」

(2) ツキのある人の 5 つの特徴

ツキも偶然から来ている。
だから、偶然を引き寄せる人は
ツキのある人だろう。
ツキのある人は?
i) 社交性に富んでいる
幸運は、他人の手によってもたらされることが多い。
従って、社交性に富み、友人、知人の輪が広いほど、幸運は訪れやすくなる。
ii)直感力が強い
運の良い人は、直感力を持っている。
この直感は超能力などではなく、
あくまで観察によって知り得た客観的な事実が基になっている。
情報が記憶として蓄えられ、頭の中で論理的に
分析された結果生まれるのが直感である。
iii)勇気がある
運の良い人は、勇気がある。
彼らは常にチャンスに目を光らせ、
それに関する情報を可能な限り集め検討した上で挑戦する。
その一方、十分な情報が得られない時は、
ある時点で思い切って決断し、1 歩を踏み出す勇気を持っている。
iv)ラチェット効果を働かせる
車輪などが定められた方向とは逆に動こうとした時、
それを制止する働きを「ラチェット(歯止め)効果」と呼ぶ。
幸運な人は、このような「装置」を自分の中に持っている。
すなわち、自分のしていることが悪い方向に転がり始めたら、
いつでも動きを止められるよう準備をしている。
v)悲観的推測に基づいて行動する
運が良い人は、極めて悲観的な面を持っている。
彼らは、
「悪いことはいつ起きるかわからないから、常に備えを
 怠ってはいけない」と考え、行動する。

(3) 事業飛躍の突破口

事業を飛躍したした企業(18の企業を調査)
・ウォークマン
・トヨタ生産システム
・VHSビデオ
・3M ポストイット
・EMIのCTスキャン
などなど
結果
環境作りに成功した企業は1つも無かった。
そして、
良い企業文化を見つけることもできなかった。
つまり、事業を飛躍させるのは
環境でも、組織文化でも無かったのだ。
ということは
どんな環境からも生まれるのであって
それは、
中小企業にはもってこいだ。
ブレイクスルーするには
・環境の産物では無く、精神の産物である
・組織の創造物では無く、個人の創造物
ブレイクスルーをもたらすものは、
2つの無関係のレベルにある考え方を結びつけ、関連付けて、
問題をこれまでとは違った新しい形で説明する。
トヨタに置いて大野耐一が理想的な自動車部品の組み立て方だと直感的に考えたのは、
ヘンリーフォードの自動車ではなく、豊田佐吉の自動織機の組み立て方であり、
A&Pスーパーマーケットであり、伝統的日本の美術工芸を支えてきた職人気質の情熱であった。
ノーチラスは、アーサージョーンズが貝殻を頭に描いた時、
チェーンとか社の束縛から解放された。
ちなみに
EMIのCTスキャンは
あのレコード会社内で
1967年に考案、1972年に製品化されたのだ。
医療の世界を変えたと言われ
CTスキャンにより
開発者ゴッドフリー・ハウンズフィールドは、
1979年にノーベル生理学・医学賞を受賞した。
これだけすごい物を製品化したにもかかわらず
1年後には、市場から撤退する。

(4) ブレイクスルーをするには?

ブレイクスルーは、個人が起こすもので有り
個人が起こすには、感情がすごく大切になるようだ。
その感情とは
情熱のあるコンセプトが基本になっている。
そして、その個人から出てきたブレイクスルーを
チームが
知識を持って
拾い上げ、育てることをしないといけない。
個人の発想を尊重し
それを、組織が拾い上げる。
この関係性が、ブレイクスルーを生み出すようだ。
keizoku63no01.jpg

(5) 個人ネットワークの縮小が、企業の創造性を下げる!?

(HBR 2021.04.06 いまこそ「ちょっとした知り合い」とのつながりが重要だネットワークの縮小は深刻な影響をもたらすより)
パンデミックの間に私たちの仕事上および個人的なネットワークは16%近く、
数にすると200人以上も縮小した。
ネットワークが縮小すると
創造性の低下や集団思考の増加につながる。
職場で人とのつながりが少ない人は帰属意識が低下し、
組織との同一化が進みにくくなり、離職や、
場合によっては不正や職務怠慢のリスクが高まる。
1日の中で見知らぬ人や知り合いと交流する頻度は、
軽い雑談や偶然の出会いなど、
近しい仲ではない11~16人と交流していることがわかった。
そして、こうした見知らぬ人や知り合いとの交流が私たちをより幸せにし、
帰属意識を高めることが明らかになった。
ロックダウン後に親しい関係にある人たち同士の交流は40%増加したが、
その代わりに関係が浅い同僚とのコミュニケーションが10%減少した。
長期的に見ると、縮こまり、見知らぬ人と交流する機会が減ることが、
ネットワークの縮小につながっている。
顔を合わせなければ、友人や家族に対する愛情は急速に低下する。
2カ月間会わないと友人や家族との親密度は30%以上も低くなり、
その後によそよそしくなる。
そして、これは外出禁止令が最初に出されてからの期間よりも
はるかに短いのだが、5カ月後には友人間の親密度は80%も落ち込む。
親密度の低下や、ネットワークの縮小にならないように下記が大切だ。
人々は連絡を取るのを躊躇することが多い。
気まずい思いをするのではないかという誤解があるか、
単に何を話せばよいのかわからないのかもしれない。
実際には、感謝を述べたり、自分にできることを考えたり、
助けを求めたりするだけでよいのだ。
あなたのキャリアを支えてくれたかつてのメンターなどで、
しばらく話をしていない人はいないだろうか。
そうした人に感謝の気持ちを伝えよう。
感謝の気持ちは、人とのつながりを深める強力な刺激となる。
他人とコンタクトを取る時、ネットワークの縮小を防ぐカギは、
ズームのハッピーアワーに時間を費やすことや
オンラインでの出会いを求めることではない。
実際、筆者らの研究では、
ビデオ会議は社会的つながりを維持するのに役立たないことがわかっている。
オンラインで非言語的な行動を読み取り、伝えようとすることは、
役立つどころか妨げになる。
たとえば、カメラを見ながら相手の目の動きを読むことは不可能だ。
それよりも、電話のほうがいいだろう。
私たちは声を聞くだけで共感が増し、
よりよい聞き手になることができる。
電話はハグと同じくらいの効果があり、
ある研究によれば、電話はストレスのバイオマーカーである
コルチゾールレベルを低下させるという。

(6) 優良企業が衰退、消滅する背景には、

  自発的に組織変革を起こせなくなる「自滅的習慣」がある

(自滅する企業 エクセレント・カンパニーを蝕む 7 つの習慣
 ジャグディシュ・N・シース 著より)
7つの「自滅的習慣」
1)現実否認症
 企業が自らの偉大さを神話化するようになると、
 現実を否認する傾向が強まり、変化に対応できなくなる。
2)傲慢症
 過去の偉大な業績によって企業は傲慢になり、
「自分たちは外部の力に影響されない」と思い込むようになる。
3)慢心症
 過去の成功がいつまでも続くと確信することで、安心感や油断が生じる。
4)コア・コンピタンス依存症
 自社の成功の拠り所となったコア・コンピタンスに依存するあまり、
 視野が狭くなり、他の機会が見えなくなる。
5)競合近視眼症
 競合をごく狭い範囲に限定し、目の前の敵しか見ないため、
 目立たないが危険な挑戦者を認識できない。
6)拡大強迫観念症
 パイオニア企業は、最初は高コスト構造でも安泰だが、
 競合企業が現れると、販売量を増やしコストを下げざるを得なくなる。
 しかし、高コスト構造を改めるのは難しい。
7)テリトリー欲求症
 企業は成長とともに組織化が進むが、
 各部門が独自に動くようになると、最高の業績が上げられなくなる
(2018年6月ビジネスサークル
 『売る 潰れないために知っておく売るための黄金質問』
 ~経営者が考えておくべき質問集~より)

■ 会社が潰れるたった1つの条件

 「売れない」
 会社は唯一利益を出す組織
 利益が出なくなった途端に潰れる。
  ↓ そうならないために
 自分で成長する企業か
 景気や業界の上げ潮に乗って成長するだけの企業か?
     「ピータードラッカー」

■ つぶれないために!

 「成功する会社は偶然
  失敗する会社は共通点がある」
  1917年 フォーブス100社
   ↓
  1987年生き残り 18社
  大ベストセラー
  「エクセレントカンパニー」
   掲載70社→現在多くは瀕死
  失敗する会社の共通点は、
  ・変われない(停まる)
  ・慢心(思いあがり)
  ・思い込み

(7) イノベーションは制約があるほうがうまくいく

GEの大ヒット心電計MAC400は、
エンジニアたちが厳しい制約を課されたことで生まれた製品だった。
その制約とは、最新の検査を実施できて、検査1回当たりのコストが1ドル未満で、
不便な土地に持ち込むために運搬しやすく
(軽量で、バックパックに入れて運べる必要があった)、
バッテリーで動く心電計を開発せよ、というものだった。
しかも、与えられた時間はわずか18ヵ月、予算は50万ドルだけだった。
この予算は、GEではかなり少額だ。
実際、同社における既存の心電計の開発には540万ドルが費やされていた。
新しいものをつくり出すプロセスに制約がないと、人は現状に満足し、
最も安易な道を歩む。よりよいアイデアを見出そうと努力するのではなく、最も簡単に思いついたアイデアでよしとしてしまうのだ。
 それに対し、制約があるときは緊張感を持たざるをえない。創造性が問われる課題を突きつけられれば、さまざまな情報を探し、それをつなぎ合わせて、製品、サービス、ビジネスプロセスに関して斬新なアイデアを生み出そうという意欲が高まる。

(8) 偶然を引き起こす方法

・グーグルの20%ルール
 グーグルは、働く時間の20%を仕事以外のことをして良い。
 それにより、いろいろなアイデアが出てくる
・ランチルーレット
 ランチをするときに、一緒の人とならないように
 あえて、ランダムに決められた人とする
・雑談
 雑談は、新たな発想を生み出しやすい
・オフィスの導線
 雑談を生み出すのは、人とのおしゃべりなので
 オフィスで、人が接触するように導線を作ると良い
 例えば、コピー機を部屋の真ん中に置くように。
・研究費
 うちの会社でやっていたことだが
 月に3万5千円を研究費として
 自身の成長に使える物なら
 使って良いというもの
 給料だと、生活費になるが
 研究費だと、普段だと諦めてしまう
 もう一冊本を買うとか
 演劇を観に行くとかが可能になる。

(9) まとめ

keizoku63no02.jpg
 偶然が、飛躍の突破口になる。
 偶然は、個人が起こすもの。
 個人で出てきた偶然を
 組織が引き上げるのが
 組織としてうまくいくようだ。
 その、引き上げることができる組織は
 何をしたいが明確
 ビジョンがある。
 ビジョンとは
 どんなインパクトを与えたい?
 どんな世の中にしたい?
 だ。
 良い企業文化が利益ある企業を作るので無く
 利益を出す商品を維持するために良い企業文化を作る
 そのためにぜひ、偶然を引き起こすことをし
 それを見守る企業文化を育てて欲しい。

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