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戦略・戦術

第64回 沖縄視察・北海道視察で見えてきた『日本は動き出してきた地方の中小企業が継続するコツ』

継続経営 百話百行

(1) 日本のGDP
 
日本のGDPが上がることを、経営コンサルタントとしては
 
戦略として選択していきたい。
 
 
それが、日本の将来になるとも思うし
日本は沈没するから、海外に脱出するというのも
違う気がする。
 
だから、人口商売からの脱却をし
しかも、居ながらにして、ビジネスをするというのを
お伝えしている。
 
日本は、ドンドン人口が減少し
目の前の人のみに商売するのでは
確実に、人口減少率と共に売上減少する。
 
かといって、他の会社から売上を奪うというのは
日本人は農耕民族なので、奪うというのが苦手であり
競争が激化すると、従業員は疲弊する。
 
では、人口が居るところに拠点を変えると良いかというと
そうでもなく、拠点を変えたところも、日本国内であれば
確実に人口減少するし、拠点を移動するのに
費用がかさむ。
 
さらに、海外に拠点を移動すると、
日本のGDPには関係が無くなる。
 
だから、人口商売からの脱却をして欲しい。
それには、
今いるところで、
お客様は目の前だけではなく
遠いところのお客様も付加する。
 
これが、人口商売からの脱却だ。
 
今いるところに居ながら
遠いところ、世界中を相手にすることが
 
日本のGDPそのままに、そして、
売上も上げられる方法の一つだ。
 
事例として、前に上げたが
たった422人、191世帯しか居ない村で
 
世界中に売上を誇るスコッチウィスキーNO1ブランドのマッカランがある。
 
そのブランドを持つエドリントン社は、他にも
ハイランドパークや、ザ・グレンロセスのブランドを持っているが
売上は、6億9960万ポンド(約1070億円)(1ポンド153円で換算)
 
 
ここまでいかずとも、
日本の地方都市が、世界中を相手にする
これが、これから日本の地方中小企業が考える道ではないだろうか?
 
 
日本のGDPを上げつつ、地方中小企業の活性化をするために
参考事例として、日本各地の企業を視察している。
 
地方中小企業の成功事例の前に
日本のGDPの構造をおさらいしたい。
 
keizoku64no01.jpg
 
 
日本はGDOの最終需要構成で
民間最終消費支出が、約55%と占める割合が大きい。
 
keizoku64no02.jpg
 
 
だから、消費動向は日本の経済に大きく影響する。
 
keizoku64no03.jpg
 
 
 
 
 
 
(2) 日本の県別、政令指定都市総生産
 
1位から金額順に
 
keizoku64no04.jpg
 
内閣府 県民経済計算 2018年より
 
日本は、まだまだ人口に比例している。
 
 
(3)県別宿泊客数
 
keizoku64no05.jpg
 
宿泊観光客数が少ないところは、県総生産も少ない傾向がある。
当然と言えば当然か
 
今回の視察は、
県内総生産9位、宿泊客数2位の北海道と
県内総生産34位、宿泊客数8位の沖縄に
行ってきました。
 
 
(4) 沖縄の成長中小企業のポイントは人時生産性だった。
 
沖縄那覇空港で、土産物販売を実施している会社は
とにかく利益率の成長がすごかった。
 
keizoku64no06.jpg
 
5年の人時生産性が2.5倍というから驚異的だ。
 
その結果、売上は横ばいでも(実際は成長している)
利益上昇はすさまじい。
 
それを目指したのが、まず、客数はそれほど増えないことが分かっていたので
利益重視に変えていたこと、これは、すべての中小企業に見習って欲しい。
労力は売上げに比例し、会社の存続は利益に比例する。
労力そのままに、会社を強くすることができるし、
人口が減少しても成長できる要因の一つだ。
 
どうして、人時生産性を上げることが出来たのか?
それは、3つの事を進めたから。
 
・多能工
・IT化
・外注
 
多能工は、トヨタで使われ始めた言葉で、
ひとりの人がいろんな仕事をこなせることを指します。
 
それにより、仕事の忙しい部署とヒマな部署を配置転換できるので
全体として、人が少なく済むというものです。
 
それを、ここは小売業と、飲食業両方こなせるようにしてました。
 
IT化は、面白く
店長という制度をなくし、
総店長が、お客様の流れを視覚、分析できる
モニタールームでマネジメント、指示をしています。
 
ラグビーのヘッドコーチが
スタンドから全体を見て、指示を出しているのと似てます。
 
外注は、専門は専門に任すということを
いろいろできるものを変えているようです。
 
 
(5) 数多くの同業が潰れた中、なぜ残ったのか?
 
他に、沖縄の特産品を使った、健康食品の会社を訪問しました。
 
keizoku64no07.jpg
 
そこでは、面白いことを聞きました。
沖縄は2000年頃、健康食品ブームになりものすごい数の会社が出来ました。
 
しかし、今は残っている会社はごくわずかです。
 
実際の数値は
 
2004年がピークで、沖縄県健康食品出荷額は、
2004年 213億4500万円
2017年 105.6億円
現在は、ピークの半分以下になっている。
 
データの出典
沖縄県「産業振興ビジョンの検討調査」より
 
沖縄県健康食品産業協議会より
 
 
その中で生き残った企業は、大手企業か、大手資本の子会社が多い中
視察訪問した企業は、独立系の中小企業。
 
残った理由を社長に尋ねると明確だった。
 
1つは、価格決定権があること
2つ目は、商品を特化したこと
 
この2つにつきるとのこと。
 
100年続く企業を調査すると
分かることは、
2つ、
一つは、変わり続けている。
商品・サービス、または、販売方法が時代と共に変わっている。
 
もう一つが
価格統制力だ。
 
つまり、価格決定権があると言うこと。
 
価格を決めることが出来それを欲している人がいることが
商売で長く続くコツなのです。
 
だから、中小企業は、
小さくても良いから、力相応一番を作り
それを下請けではなく独自で販売することをしないと
生き残れないのです。
 
 
(6) 生産性が中小企業生き残る道だ!?
 
北海道の千歳空港に到着。
 
 
コロナ前の2018年度では日本の空港旅客数ランキングは
 
1位 東京国際 85,692,407人
2位 成田国際 41,238,477
3位 関西国際 29,312,339
4位 福岡   24,845,458
5位 新千歳  23,634,288
6位 那覇   21,547,380
 
と、第5位だ。
 
空港について、レンタカーの借りたのだが
なるほど、こういう考えが
日本の生産性が上がっていない理由なのか
と、つくづく思ったのだ。
 
アメリカと比べるとかなり「人を介する」のが多い
 
日本は、レンタカーを借りるまで、事前予約した後
 
空港のレンタカーカウンターで、名前を告げる
 ↓
バスでレンタカー事務所に移動
 ↓
レンタカー事務所で手続き
 ↓
車の外観チェック
 ↓
スタート
 
keizoku64no08.jpg
(送迎バスを待つ)
 
アメリカでは
飛行機到着の頃に駐車場番号が書いてあるメールが来る
 ↓
駐車番号のところに行く
 ↓
車乗る
 ↓
出口ゲートで免許確認
 ↓
スタート
 
この手順や、方法は法律などにもよるので
別にどちらでもよいのだが
 
車を走り出すまでに
介する人が違うのだ。
 
日本は、5人
空港の受付の人
バスまで案内する人
バスの運転手
レンタカー事務所受付の人
レンタカー貸し出す人
 
アメリカは1人
車を発進させて、駐車場から出るところに
人がいて、そこで、免許証の確認をする
その人、1人だけだ。
 
 
アメリカは、人を介さないように仕組みを作り、
日本は人を介する(雇用するように)に作られている。
 
これに慣れた日本人、生産性を上げるのは大変かもしれない。が、やるしかない。
 
どうしても、日本は、今まで
雇用をしよう雇用しなければが、国、自治体のやらねばならないことだった。
 
さらには、OECDの中では
平均賃金は先進国で最下位になっている。
 
1位 アメリカ
2位 アイスランド
日本は、35カ国中、22位
OECD平均より、約1000ドル低く
 
お隣韓国よりも低いのだ。
 
keizoku64no09.jpg
 
 
keizoku64no10.jpg
 
生産性を上げる、システムに費用を掛けるよりも
人を介した方が安上がりになるのと、
過去からの雇用しなければという思考パターンで
 
日本は、生産性が低くなっているのでないだろうか。
 
 
中小企業の経営者は
これから人口が下がるし
生産者人口は、すでに減少し始めて
人は採用しにくくなっている。
 
だからこそ、人を介さない仕組みも取り入れる検討が必要だろう。
 
しかし、やみくもに、人を削ろうということではない。
 
考え方としては
 
「表の非効率、裏の効率」が良い。
 
 
お客様と接する、表は
効率を考えないで、人が介する方が、満足度が上がるだろう。
 
その分、お客様と接しない部分、裏側は
徹底して効率化をするという考え方だ。
 
 
(7) 北海道の農業、畜産業は生産性が進んでいる!!
 
250頭の乳牛を飼っている中小牧場を視察した。
 
keizoku64no11.jpg
 
そこでは、徹底して、自動化をしており
乳搾りは、自動で24時間行われ
 
糞尿の清掃も、餌やりも自動だ。
牛には一頭一頭チップが付いていて個別管理をしている。
 
ハイテクそのものでした。
 
その分、そこの会社は、
製品加工販売に力を入れ
年中観光客で賑わっている。
 
豚の生産者は、もっとハイテクで
8000頭を、4人で見られるそうだ。
 
そして、空いた時間は、ブランド力を上げることに力を注いでいる。
 
 
昨年視察した十勝では、
小麦、とうもろこしの生産者では、
農機具はほぼすべて、自動運転でやっているそうだ。
 
 
生産性を学ぶなら、農業畜産業を見学に行くと良いのかもしれない。
 
農業畜産業は、人が中々集まらないので
生産性が結果としてあがった。
 
日本の企業これから人が採れなくなる可能性が高い
ぜひ、勉強して欲しい。
 
 
(8) 組み合わせ力が、これから必要な力だ!?
 
今、飲食店で地方活性化する動きが
あちこちである。
 
元々は、ヨーロッパでは多く見られ
最近は日本でも、それが見受けられるようになりました。
 
 
スペインのサンセバスチャンは、
世界でも最も有名でしょうか。
 
 
日本でも、博多や、札幌などは
かなり盛り上がっていますし
 
今回訪れた、余市も
ワインで、力を入れています。
 
ワインツーリズムなるものに力を入れているのです。
 
 
余市で、いくつかの企業を訪問したのですが
これから、必要な力として
「組み合わせ力」「コーディネート力」が
すごく大切だなと感じたのです。
 
コーディネートの意味は
・物事を調整すること。間に立ってまとめること。
・衣服や装身具などで、色・形・材質をうまく組み合わせて、全体の調和をはかること。
 
これが、必要になり
組み合わせ、コーディネート力があるところが伸びているように思うのです。
 
 
余市で、脱サラして6年目のワイナリー経営者のワインは最高でした。
今では、人気で中々手に入らないワインになっているそうです。
 
keizoku64no12.jpg
 
keizoku64no13.jpg
  
ここの白ワインは絶品です。
そのワイン造りは、4~8種類のぶどうをブレンドして
仕上げるのです。
 
これも組み合わせで、元来日本人はブレンド力が長けているのかもしれません。
 
 
そして、レストランで考えると
料理がおいしいのは当たり前ですが
 
それにどのワインを合わせるか?
 
この組み合わせ、コーディネート力が
レストランの品質がより高まるのです。
 
 
この考え方は、
どのビジネスにも言えることではないでしょうか?
 
ただ、自社の商品・サービスを提供するのではなく
他と組み合わせることにより
お客様の使用価値がもっと高まるようなこと。
 
これを追求していくと
まだまだ、ビジネスは面白くなり、上向くと思うのです。
 
 
(9) まとめ
 
商売は、楽しく・面白く
 
そして、工夫をする。
 
これが、すごく大切に思います。
 
だから、視察は、楽しみながら学ぶことができるので非常によいです。
 
 
今回の沖縄、北海道視察で学んだことは
 
●もうすでに動いている
 ワクチンを終えた、高齢者をはじめとして
 地元の人たちの移動がかなり活発です。
 
●日本は大丈夫
 日本の地方に行くと、良いところ、良い会社が
 いっぱいあります。
 
 日本は大丈夫だなと思います。
 
 良さをどうするかが、これから必要なのでしょう。
 
 
そして、うまくいくには
 
●独自固有の長所
 
●人時生産性を上げる
 
●価格決定権を持つ
 
●遠くのお客様も相手にする
 
●そして、リピートにする
 
 
もっと勉強して、発信をしていきたいと思います。
 

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