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第4回 中小企業を発展させる「MIP」とは(その2~新しい市場をつくる)

ロングセラーの玉手箱

 MIP経営は、なぜ中小企業に向いているか、なぜ自社の長期繁栄を実現し、社会に喜ばれる企業となれるのか。その全体像を説明するお話のつづきです。(MIP全体像その1はコチラをご覧ください)
 
 今回も、下図「MIP経営図」をご参照いただきながら説明いたします。
 
1.png
 
 さて、ロングセラー商品・サービス・事業をつくるには、大きく分けて2つのプロセスがあります。
 
 まず第1のプロセスは、ロングセラーとなる「強い売りモノ」創り」です。
 
 そして第2のプロセスは、創った売りモノを育てる、つまり大ヒットして、かつ長く売れ続けるように、市場の拡大を図ることです。ちなみに私は、「市場の拡大/先導」を「(売上を)天まで伸ばす」と表現しています。
 
 では、この2つのプロセスから成るMIPとはどんなものか。まずは第1のプロセス「新事業の開発」を成功させることから説明します。
 
 
 MIPの神髄「新事業の開発」
 
 MIPにおける「新事業の開発」とは、「パイオニア創り」です。パイオニアとは、開拓者という意味で、要するに二番煎じのモノマネではない、新しい市場を創造することが、ロングセラーとなる「強い売りモノ」創りの条件なのです。
 
 例えば、クロネコヤマト宅急便、カップヌードル、ハウスバーモンドカレー、カビキラー、ジャバ、スキンガード、ポッキーなどの商品をイメージして下さい。
 
 みな、長く売れ続けている魅力的な商品ですね。これらは、すべて新しく市場を創造して生まれたモノばかりです。このような商品を、私は「MIP(新市場創造型商品)」と名づけました。
 
 なぜ、MIPが中小企業に適しているかといえば、新市場をつくるということは、当然ライバルがいないからです。
 
 モノマネ商品をつくり、既存市場でシェアの奪い合いをしてもコストがかかり利益が減るだけです。
 
 競争優位の戦略は大手に有利であり、中小企業が高収益の経営をするためには、既存の激戦場から脱出するべく、新市場をつくる商品を開発することです。
 
 そして非常に重要なことが、私の長年の調査研究では、新市場を創造した商品(MIP)は、後発商品の100倍の確率で成功するという結果が出ています。
 
 発売される商品数で、どのくらいの確率で成功するかを比べると、MIPはその2つに1つ(53.8%)が10年以上シェアNO.1を保つのに対し、MIPが創造した市場に後発参入した商品がシェアNO.1になれる確率は200に1つ(0.5%)なのです。
 
 こういった理由により、ロングセラー商品の条件の1つを「新市場の創造」としているのです。
 
 それでは次号では、プロセスの2「既存事業の強化」について説明します。次号でまたお目にかかります。
 
 
《梅澤氏 直筆の絵》
 
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