★ラベルレスペットボトル飲料の拡大
2018年にいち早くラベルレス商品を発売したアサヒ飲料のラベルレス商品
1つ目の事例は、ペットボトルにラベルをつけない「ラベルレスボトル」。コンビニエンスストアで目にしたことがある方もいらっしゃると思いますが、ここ2年程の間に一気に各社での導入が進み、売上を伸ばしています。
人気の理由はプラスチックごみの削減になるため地球環境に良い、というだけではなく、ゴミを分別する際にラベルをはがす手間がかからない利便性が大きいこと。
「ラベルレスペットボトルは、ラベルを捨てる手間が省けて嬉しい(20代前半/東京都)」
通常の「ラベルレスボトル」商品の場合、箱売りでの販売がメインとなるためECサイトなどを中心に販売していました。ただ、それに対して、「アサヒ おいしい水 天然水 シンプルecoラベル」では、必要表示内容が記載された小面積のタックシール(シンプルecoラベル)を片面に貼付することで、「ラベルレスボトル」商品の店頭での単品販売を可能にしました。
また、ボトルの表面にはラベルの代わりに水の波紋と伝統工芸の江戸切子の文様がかけ合わさった緻密なデザインを加工するなど、ラベルレスだからこその新たなデザインを追求しました。こうした工夫が重ねられていることも、消費者の心を掴んだ秘訣でしょう。
★貝印『紙カミソリ®』と、『#剃るに自由を』プロジェクト
紙カミソリ®(貝印)テスト発売時の5色の限定商品
紙カミソリ®(貝印)ローソンで販売中の商品
2つ目の事例は、使い捨てカミソリで国内シェアトップの貝印が、通常のカミソリと比べてプラスチックを98%削減してつくった、世界初の「紙カミソリ」です(残り2パーセントは紙カミソリ本体のコーディングと、刃の接着だそう)。
紙カミソリは刃の部分は金属、ハンドルの部分が耐水性に優れた紙でできている商品です。写真を見ての通り、クラフト感のある素材にカラフルでおしゃれなデザインが印刷されており、思わず手に取りたくなる見た目にまず心を掴まれます。1回使い切りなので細菌の繁殖やサビの心配がなく、いつでも清潔に使用できること。
さらに、紙のハンドルの部分が組み立て式になっているためかさばらず、重さもわずか4グラムで、旅行でも持ち運びやすいという利便性もあります。
「不燃ごみとして捨てるよりも、リサイクルできる部分が多くて、環境問題に向き合っていると感じます(30代前半/神奈川県)」
「プラスチックよりいいと思う。開発した人すごいなと思う(20代後半/神奈川県)」
この紙カミソリは商品化を発表した時点で世界中から大きな反響があり、2021年のテスト販売時は3日で完売。オンラインストアでは人気のあまり完売の状況が続いていますが、現在はコンビニエンスストアでの販売が始まっています。宿泊施設向けにアメニティ用としての展開も決定するなどの広がりも見せ、見事ヒット商品となりました。
サステナブルな商品だというだけではなく、利便性の高い商品である点でラベルレスボトルの事例とも共通点がありますが、貝印の商品が若年層にも支持されている理由はもう一つあります。