2023年も、あと1カ月を切りましたね。この連載コラムでは毎月、製品やサービス、地域の取り組みなどから事例をピックアップして、そこから読み取れそうなヒントをまとめていますが、2023年締めくくりの今回は、ごく私的な話をさせてください。
今年下半期に購入した商品から、まだこのコラムで綴っていないものを3つ、お伝えしたいと思います。どうして私が手を伸ばしたのか、という理由も書き添えますね。
トゥーゴー
まずこれです。ポーチにもスマホショルダーにもサコッシュにもなるアイテムで、その名を「#2GO(トゥーゴー)」といいます。東京・渋谷区のベンチャー企業であるECBBが開発した商品です。最新版の実勢価格は3780円。
画像をご覧いただくと、その強みがすぐにお分かりになるかと思います。こうしてキャリーバッグに括り付けても、ストラップを使って肩から掛けても、本体が垂直を保ち続けます。ハンドル部分が二軸で動く機構をとっているので、ポーチ本体が傾かない。
それがどうしたと思われるかもしれませんが、これ、使ってみるとかなりありがたい。スマホを入れていても、ドリンクを納めていても、こぼれ落ちないですから。つまり、便利というより安全なアイテムと表現することができます。
これを開発したECBBという会社はもともと、ウェブマーケティング支援を本業としているのですが、同時にみずからも自社開発商品の製造販売に乗り出し、この「#2GO」を主力商品に育てています。クラウドファンディングでは累計3600万円を獲得しているほか、ノベルティグッズ企画の売り込みも果敢に続け、名だたる大手どころの企業との取引も果たしています。
同社の代表に聞いたら、「クラウドファンディング公開時には、のべ1000人以上に個別メッセージを送り(決まったテキストを一斉送信したのではないんです)、展示会などに毎月のように参加して手売りを続けている」とのこと。効率化を志向しがちなウェブマーケティングの専門家でありながら、愚直なプロモーションを続けているのに驚きました。泥臭いまでに、やれることすべてをやっている。私はそうした姿勢にも感じ入って、この商品を買ったという次第です。