menu

経営者のための最新情報

実務家・専門家
”声””文字”のコラムを毎週更新!

文字の大きさ

人間学・古典

第九話「目的と注意力」

中国哲学に学ぶ 不況は会社守成の好機



※本コラムは2000年代に井原隆一氏が書き下ろした「不況は会社守成の好機」全41話のコラムを再連載するものです。




ここでは、まず“春を探る”と題した詩を詠んでみよう。

     尽日春を尋ねて春を見ず
    藜(あかざ)の杖をつき踏破す幾重の雲
    帰り来足りて試みに梅梢を把りて看れば
    春は枝頭に在って已に十分

 この大意は、一日中あかざの杖をついて山を歩きまわって春を探したが見当たらなかった。帰ろうとしてそこに生えていた梅の小枝を手折ってみるとその枝先に梅のつぼみが付いている。
これでもう春が来ていることを知ったという意味だろう。つまり、目的とした春は目の前にあるのに気づかなかった。

淮南子(えなんじ)に“心は小ならんことを欲して志は大ならんことを欲す”(心は綿密であって、志は高大でありたい)。

とかく小心と細心を混同しがちであるが大成者に小心者はないが、細心者は多いものである。

さて、次にこんな詩の文句がある。
“山深きも更に須く(すべからく)して入るべし、聞く早梅の村あるを”

山は深くとも困難を恐れず入っていくべきだ、奥には早咲きの咲く梅の木がある佳境があるはずだ、という意味だが、もう一歩踏み込むことをためらう。

だいたい成功しない人の共通点は当たり前ということを実行できない人のようである。

    “金を溜めるには” “入った金を出さないこと”
     “儲けるには” “安く買って高く売ること”

そんなことは当たり前だと言って片付けるから成ることも成らない。

※一部旧字を現代漢字に変更させていただいております。

第二十六話 「難によりて材をあらわす」前のページ

第十話「精神一到」次のページ

JMCAおすすめ商品・サービスopen_in_new

関連記事

  1. 第二十八話「二卵を以て干城の将を棄つ」

  2. 第七話 「肉を割いて腹に満つ」

  3. 第五話 「名君と暗君」

最新の経営コラム

  1. 相談7:含み損のある土地があるのですが、別会社で買うのがいいか、個人で買うのがいいか、どちらでしょうか?

  2. 第9回 注意しても部下が変わらないのはなぜか? ~原因は人ではなく仕組みにある~

  3. 第146回 地味ながら世のクラウド化の追い風を受けて高成長を遂げる サイバーリンクス

ランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

新着情報メール

日本経営合理化協会では経営コラムや教材の最新情報をいち早くお届けするメールマガジンを発信しております。ご希望の方は下記よりご登録下さい。

emailメールマガジン登録する

新着情報

  1. 人事・労務

    第36話 年2回 勤務成績の判断・評価要素は5つに限定
  2. 税務・会計

    第77号 BS「格言」 其の二十五(1)
  3. 社員教育・営業

    第85講 クレーム対応成功の法則はまず『親身的対応7つの手順』で運ぶこと(13)
  4. マネジメント

    第110回 【特別編】緊急時の対応を社長はどうすべきか
  5. 経済・株式・資産

    第182話 国民の実感を伴わないGDP統計
keyboard_arrow_up