コロナ渦は飲食店にとって試練であるのですが、「本当のお客様」を見つけるのには良い機会だと思ってしまいます。店というのは何か外的要因があると今までやってきたことがわかります。たまたまなりゆき人気が出てしまって席が埋まっていることもありますから。
さて、手間を惜しまず真面目にやっていてすばらしい日本料理店があると知り合いがレビューをアップしていた店があります。その店に初めて初回した時はランチでしたが、たいへんすばらしく、しばらく勉強に通ってみようと思いました。
今回のコラムはその日本料理店『馳走なかむら』の夜の一番値段の低いコースを紹介したいと思います。
店は、中州川端から徒歩7~8分の場所にあります。
お席に着くと、季節の香りの香煎茶から始まります。
今回は桜で季節を感じてスタートです。
そういえば、となりにまだ開花が始まったばかりですが桜が飾ってあり、風流です。
お酒はお任せにしました。「東北泉 R2BY 仕込1号しぼりたて」からです。
最初のお料理は、蛤の先付です。菜の花と蕗とラディッシュが添えてあります。
ジュレと蛤のお出しの組み合わせがとても良いです。
続いて、車海老のしんじょうの煮物椀が続きます。吸い地はうすい豆擦り流し、で鶯菜が添えてあります。しんじょうは、車海老がパンパンです。摺流しと海老しんじょうのテクスチャの相性がとても良いです。おいしい。
お造りは、鮃と唐津の紫海胆です。蕨が添えてあります。
鮪は豊洲の「やま幸」から山口の仙崎の150キロのクロマグロです。
続いてのお酒は「而今 山田錦無濾過 純米吟醸」です。
お凌ぎはお雛様の器で穴子寿司です。
お酒は、飛露喜 大吟醸
続いては、八寸。テーマ姓があり、とても見応え、食べ応えがあります。
内容は、蟹、うるいのお浸し、のれそれ、ふぐと分葱のぬた和え、飯蛸、蛍烏賊幽庵焼き、鰆塩焼きと唐墨です。お酒は「花の香 菊花 HANANOKA KIKKA」です。
続いての揚げ物にあわせて、「山本 7号酵母 純米吟醸原酒」が供せられます。
揚げ物は白魚の黄身揚げです。
熊本の蕗の薹、お多福豆が添えてあります。
献立に書いていない、久絵、昆布〆の赤むつ 酒盗かけが供せられます。
お酒は、「黒龍 火いら寿」をあわせます。
これはお酒と相性よくうまいです。
焼き物は鹿児島牛イチボ、クレソン、分担と蜂蜜のソースです。
名物とも言える、イチボ。おいしいです。
お酒は「田酒 純米大吟醸」です。
炊き合わせが続きます。
鹿児島の筍と若芽です。
お食事は、愛媛の釜揚げの白子のご飯です。
おかわりします。
さらに、もう一杯・・
水菓子は苺とソースと苺のシャーベットです。
甘味も『馳走なかむら』の楽しみですね。
本日のお菓子(練り切り)は文旦と胡桃です。
毎回季節を感じるお菓子が大変よいですね。
派手な材料を使うわけではありませんが、これだけ手間をかけたコースが15,000円というのはかなりのコストパフォーマンスだと思います。
季節の瞬間を感じることができるので、繰り返して利用したくなりますね。
東京ではわかりやすい高級食材を駆使した「まいったか!系」の「予約がとれない」高級飲食店の全盛の時代ですが、これからは季節の瞬間を感じるこういう日本料理の時代がくるのだと感じました。
馳走なかむら
〒812-0020 福岡県福岡市博多区対馬小路2−10
電話 092-292-7663