menu

経営者のための最新情報

実務家・専門家
”声””文字”のコラムを毎週更新!

文字の大きさ

マネジメント

第22回 社員の幸せを考えるブレない経営とは?~事例:アイリスオーヤマ

オンリーワンで勝ち残る企業風土づくり

<社員の幸せを考えるブレない経営とは?~事例:アイリスオーヤマ>

勝ち組と負け組が明確になる今、経営者の判断がブレると会社は、これから負け組に入ってしまうでしょう。しかし、経営者の判断が理念を軸に、ブレなければ、会社は、生き残り、勝ち残ることが可能です。

なぜなら、先行きの見えない日本で現場は、経営の判断が常にブレない会社なら、その会社を信頼して“ついていこう”と思い、顧客の声に耳を傾け始めるからです。

会社は、永続する必要があり、永続させるには儲からなければならず、そのためには、顧客の声を聴き、必要とされる会社になり、利益を生み出すことが不可欠です。

経営者は代わりますが、変わらぬ経営理念を軸にブレない経営を実践し、会社の風土を築けば、現場が一つとなり、顧客になくてはならない会社には何が必要か?探り当てることができるのです。

そこで21回連載を終わり、今回からは全3回で“生き残り”をキーワードに経営者の戦略が経営理念とリンクすることで、これからの時代に“必要とされる会社”になれるのか?を、現場士気を向上することで売り上げをアップさせている会社を事例と共に解説いたします。

 

~“生き残る”にはイノベーション(革新)を重視した経営戦略が不可欠~

バブル崩壊以降の「失われた20年」に次々と新たな需要を創造し、この間売上高を約3倍に伸ばしたアイリスオーヤマ。

同社の大山健太郎社長は、家電不況もTPPもチャンスと捉え、モノの余る今、顧客に選ばれる商品を提供しています。

アイリスオーヤマ(仙台市)は、ホームセンターを中心とした小売店およそ1万3000店に、約1万5000種類もの商品を販売する生活用品の製造卸業なのですが、同社は存続の危機を2つのイノベーション(改革)で乗り越えてきました。

 

<イノベーションその1>
業種メーカーから業態メーカーへ変換
→製造卸業態(他メーカー製造の商品も扱い)として小売店のサポート

<イノベーションその2>
ニーズからウォンツへ変換
→需要創造(プロダクトアウト(商品を市場に)でなくマーケットイン(市場から商品を)

同社の強さは、イノベーション(革新)を起こしたからではありません。

同社の強さは、経営者がイノベーションを起こす理由が企業理念に掲げられていることで、経営の軸がブレていないことです。

~“生き残る”には、変化に対応する仕組み(企業理念として明文化)をもつこと~

アイリスオーヤマの企業理念は以下のとおりです。


1、会社の目的は永遠に存続すること。いかなる時代環境に於いても利益の出せる仕組みを確立すること。

2、健全な成長を続けることにより社会貢献し、利益の還元と循環を図る。

3、働く社員にとって良い会社を目指し、会社が良くなると社員が良くなり、社員が良くなると会社が良くなる仕組みづくり。

4、顧客の創造なくして企業の発展はない。生活提案型企業として市場を創造する。

5、常に高い志を持ち、常に未完成であることを認識し、革新成長する生命力に満ちた組織体をつくる。


同社は企業理念の中でも

会社の目的は永遠に存続すること。

いかなる時代環境に於いても利益の出せる仕組みを確立すること。を第一条に掲げ、「生き残れるビジネス」を「自社の強みが生きて、収益性があって、将来性があるか」と定義し、経営判断の基準としています。


アイリスオーヤマは、オイルショック後、「園芸」というカテゴリーに進出しますが、その根拠は、大山社長の先の経営判断を踏まえての経営戦略の方針に沿って『小さくても競争の少ないマーケットのオンリーワンを目指す』に合致するからです。

※小さくても競争の少ないマーケットとは?

既に利益を創出している大手企業がそのマーケットで存在するが、変化に対応することで、どの時代でも生き残ることができるマーケットをさす

同社が未進出のマーケットへ進出することは、企業理念の一文である「会社の目的は永遠に存続すること。」へ向けての実践であり、大山社長は、生き残るためには「自らが需要を創造する(売り上げが半分になってもいい)、そして自分の強みを生かして収益がとれるビジネス」しかないと確信しているのです。

~共通言語で現場ベクトルを一つにすることが“生き残り”への第一歩~

アイリスオーヤマでは、自社の顧客が望む価値を『ユーザーイン』という言葉に置き換え、この言葉を社内で共通言語化し、現場に共通言語を浸透することで、現場のどこからでも商品開発のアイデアが<アイリスオーヤマの消費者目線>から生まれてくる仕組みを構築しています。

共通言語『ユーザーイン』とは、例えばプラスチックのプランター(鉢)なら、

ユーザー(人間)にとっての価値は

・・・軽くて安くてコケも生えないのが便利 なのですが

アイリスオーヤマが対象とするユーザーにとっての価値は

・・根腐れせず植物が育つ(保水性)且つ軽くて安くてコケも生えない という意味になります。<アイリスオーヤマの消費者目線>


共通言語は経営者が伝えたいことを現場に浸透させる一つのツールです。

大山社長が伝えたいこととは、経営者の志で、それは「会社(組織)はこうあるべきだ」という存在意義であり、そのためには経営者としての考えをちゃんと口に出して社員に伝え、共有してもらうための共通言語の存在が不可欠なのです。

アイリスオーヤマは、会社が生き残り、存続するために、経営者の志が企業理念(明文化)となり、共通言語(具体化)化されることで、現場にアイデアが飛び交い現場がチームとして一つになる仕組みをつくりあげているのです。


●アイリスオーヤマHPは
http://www.irisohyama.co.jp/company/

第21回 社員の幸せを考えるブレない経営とは?~事例:ボーズ前のページ

第23回 社員の幸せを考えるブレない経営とは?~事例:ツムラ次のページ

関連記事

  1. 第17回 社員の幸せを考えるブレない経営とは?~事例:モンベル~

  2. 第52回 社員の幸せを考えるブレない経営とは?~事例:ブルネロ クッチネッリ

  3. 第44回 社員の幸せを考えるブレない経営とは?~事例:コロンビアスポーツウェア

最新の経営コラム

  1. 第169回 「達人に学ぶ①アパホテル 元谷拓さん」

  2. 第4講 まず、担当者がお客様との正しい関係に合った対応をすること!

  3. 第19回 成長するフィンテック企業の戦略 ~ クラウドファンディング Makuake ~

アクセスランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

新着情報メール

日本経営合理化協会では経営コラムや教材の最新情報をいち早くお届けするメールマガジンを発信しております。ご希望の方は下記よりご登録下さい。

emailメールマガジン登録する

新着情報

  1. 新技術・商品

    第44話 陸前高田から中小企業が学べること!
  2. マネジメント

    挑戦の決断(14) 被災した民のため国庫を開け(明暦大火に対処した保科正之)
  3. 戦略・戦術

    第4話  「海外から加工度を上げ輸入し人件費を下げよ」
  4. 健康

    第3回 栃尾又温泉(新潟県)――猛暑の夏にこそ訪れたい「ぬる湯」
  5. キーワード

    第31回 BYD
keyboard_arrow_up