ここで、資産と費用が同じ位置、つまり左側に記載されていることに着目してください。
これがすなわち、資産と費用は紙一重ということを表しているのです。
例えば、10人参加している会合が終わり、みんなで飲みに行こうということになりました。
お会計の時点で、主催者が、①「今日は私のおごり」といった場合と、主催者が、②「レジが煩雑になりますので、とりあえず支払いを済ませます。あとで、一人○○○○円、お支払ください」といった場合を考えてみます。①も②も主催者が支払ったことには違いはありません。
①の場合は主催者が支払い、それを主催者が負担したことになります。
②の場合は主催者が支払いましたが、あくまで、立替分であり、あとから参加者に請求することになります。
①の場合は、主催者にとって、負担をしているということで費用(この場合、交際費になります)になりますが、②の場合は、あとで請求するため、資産(この場合、立替金になります)になります。
このように主催者の気持ち一つで「資産」になったり「費用」になったりします。
これが資産と費用は紙一重ということになります。
ですから、資産と費用は試算表では同じ位置(左側)になっているのです。
費用ではなく資産になった場合、何が問題になるのでしょうか。
資産が増えるからいいのでは・・・と考える人も多いでしょう。
前回、お話ししたように、徒に総資産を増加することはよくありませんが、それ以外にももっと大きな影響が出てしまいます。
それは、費用ではなく資産にした場合、税金を多く支払うことになるからです。
税金は、国民の義務ではありますが、売上に直結しない支出の最たるものです。
それが増加するということは、会社の資金に悪影響を及ぼすことは誰でもわかります。
ですから、資産よりも費用にすべきなのです。
では、なぜ、資産にすると税金が多くなるのでしょうか。
この点は次回に・・・