米国に制裁されても反米はしない
筆者は華為の自助努力による全面的復活に脱帽する。でも最も筆者を敬服させるのは、米国に制裁されても反米しない華為の冷静さと度量の大きさである。
2019年5月米制裁直後に、華為の創業者でCEOを務める任正非氏は米CNN記者のインタビューを受けた際、「華為の哲学はオープンだ」と説明し、米国に制裁されたからと言って「オープン反対、米国反対の思考回路を形成するわけにはいかない」と強調した。なぜなら「米国は過去数十年、先端技術分野で最先頭を走り続け、未来数十年も引き続き世界をリードする」からである。従って、華為は米国に制裁されても、「米国に学ぶ決意が変わらない」と述べた。創業者の発言から華為の強さと懐の深さは尋常ではないものがわかる。
ここ数年、米国による華為制裁が極端まで強化されたにもかかわらず、華為は「米国に学び」、「反米思考をしない」立場を変わらずに貫いてきた。
昨年8月、任氏はICPC(国際大学生プログラム設計コンテスト)基金会及び監督・金メダリストの学生との対話の中で、任氏は米国制裁について「プレッシャーであり、原動力でもある」と強調する一方、次のように述べた。「我々は排外をしない。我々は常にアップルの製品がなぜ立派かを研究し、アップルとのギャップを見つける。先生がいるのは幸せのことであり、学ぶ機会があり比べる機会もあるからだ。この意味では私はアップルファンと言われても言い過ぎではない」と。
愛国主義及び偏るナショナリズムの風潮が高まる環境の中で、並ならぬ自助努力及び冷静かつ理性的な対応は、結果として華為の現在の全面的復活に繋がる。この華為は強い。米国にとって、いまの華為は制裁発動前の華為よりさらに怖い存在となっている。