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第30回 英才教育とクリティカルシンキング

欧米資産家に学ぶ二世教育

日本と違い欧米では英才教育が認知されている。例えば米国、ジョージア州は約200億円もの年間予算(2009年度)を英才教育特別プログラムにあてている。隣国韓国でも、盧武鉉前大統領が「国家の競争力を高めるために英才教育が必要だ」とし、英才教育校である韓国民族史観学校からは多数が欧米トップスクールへ進学している。

 グローバル化、IT化が進み、時代の変化のスピードが速まっている折、知識はすぐ陳腐化してしまう。新時代のグローバルエリートには、世界を視野に、不確実な中にも、独自の視点で課題を設定し、よりよい未来を切り開いていく発想が求められる。そのためには

「クリティカルシンキング」力を高める必要性がある。 

クリティカルシンキングとは、「何を信じ、何を実行するかを決断することに焦点を置いた、論理的、かつ思慮深い思考」と定義され、世界のリーダーに必須な「良質の創造的思考」なのである。世界の様々な問題に対し知的好奇心をもち、多角的な視点から論理的に分析を加え、その中から正しい答えだと自らが信じるそれを選択する能力であり、リーダーたるものは周りを引き込みながらそれを実践していく。

こうした英才教育は、高校生までにした方がより効果が得られると言われている。米国のスタンフォード大学では、世界のトップスクールとして初の英才教育高校を2006年に創設したが、そのコアプログラムは「クリティカルシンキング」力養成である。

日本に関していえば、教育の弊害もあり、世界を舞台にリーダーシップを発揮している人は、残念ながらほんの一握りである。こうした状況下、「新しい時代にあったグローバルリーダーを育成したい」と、金融界で成功を収めた福原正大氏が多くの日本内外のグローバルリーダーからの賛同を得て、この度英才教育の塾(IGS)を立ち上げた。

UCバークレイ大学メーシー教授との共同開発による「クリティカルシンキング力養成」を中核に据え、中嶋洋一教授と共同開発プログラムによる英語ディベート力訓練、日本人としての価値・文化を世界に発信するプレゼンテーション力養成、及び実際にグローバルリーダーとの直接対話型授業も行われるとのこと。

「みな同じ程度」が大好きな日本人ではあるが、昨今のリーダーシップのなさをみるにつけエリート教育の必要性が実感される。ぜひともこうしたプログラムが成功して、心ある力強いグローバル級リーダーの誕生を期待したいものである。

榊原節子

 

問合せ先:IGS(Institution for a Global Society

 http://www.iglobalsociety.com/   

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