ビジネスに場でよく耳にする、「コミットメント(commit)する」というのは、
たとえば営業部長が、“本年の売上を○○パーセント伸ばします”とか、
研究開発部長が、“本年度中に、○○分野で新商品を○アイテム開発します”とか、
自分の職責にからんだことに対して、「約束」することである。
プランを立てる時は、プランそれ自体の中に目標設定・戦略・戦術があり、
目標――それも具体的に計数として把握できる目標を立てないことには、
プランもまた、始まらないのである。
当然のことながら、プラン策定にあたっては、数多くの不確定要素があるはずである。
しかし、多少のグレー・エリアがありながら、“これだけはやります。約束します”と
コミットすることから、仕事というのは始まるものなのである。
達成しようとする意欲と、コミットする勇気こそ、
ビジネスマン、なかんずく経営者・管理者には必要である。
ビジネスは、「希望的観測」や「努力目標」に基づいて展開できるほど、甘くはないのだ…。
人を評価する基準は数多くあるが、私は、
「コミットメントができる人間か否か」という点を、非常に重くみている。
言い訳や正当化のための理由づけが余りにも多いのが、一般的なビジネスの世界であるので、
コミットメントという言葉は、私の耳には、瑞々しさと清々しさをもって響くのである。