今回で43回目を迎えた東京モーターショーが11月20日に開幕した。
世界12カ国、178社35ブランドの乗用車、商用車、二輪車、部品メーカーなどが出店しているが、同時期に世界の2大自動車市場である中国とアメリカで広州モーターショー(11月21日~30日)、ロサンゼルスモーターショー(11月22日~12月1日)が開催されており、海外メディアの注目度が心配されていた。
しかし、プレスデイ初日に行ったところ外国人、特に西洋人が多く来ていると感じられ、数字的にもプレスデイ2日合計で10,300人と前回の9,400人を上回る来場(60%強は国内メディア)があった。
自動車各社トップによるプレスブリーフィングでは、トヨタは2015年に市販予定の燃料電池車「FCV」、ホンダはハイブリッドのスポーツカー「NSX」、日産は3人乗り電気自動車「ブレイドグライダー」などのコンセプトカーが登場、水素や電気を使いCo2を削減するといった環境性能に加え、走りを重視した次世代カーに力を入れた発表が多かった。
若者の車離れに加え、最近はセンサーで危険を感知し自動停止する車から発展して、米Googleや国内メーカーの自動走行車の開発なども登場している。
そのため、「車を単なる移動手段」にしない「愛車」となるものを作る(トヨタ)、「走る喜びのある車のみを作る」(マツダ)なども強調されていた。
11月23日(土)からの一般公開には、家族連れやカップルなど多くの人が来場し、人だかりで車が見られないほどのブースも多く、24日(日)午前までの累計入場者が23万人(前回は18万6,000人)と前回を大きく上回っているため、目標とする90万人(前回84万人)を越えそうだ。
中でも人が多かったのは東6ホールのポルシェ、東4ホールの日産GTR、西2ホールの日産GTR、電気自動車の「テスラ」などのスポーツカーが展示されているブースで、リーマン・ショック以後はフェラーリ、ランボルギーニなどの海外のスポーツカーの出展はないものの、スポーツカーが久しぶりに人気となっており、景気回復の兆しなのかも知れないと思った。
先日シリコンバレーで工場見学をした「テスラ」は、部品メーカーと同程度の小さいブースながら大人気で、今後全国各地で試乗会を行うための来場者アンケート調査を行なっていた。
また、アウディはiPadを使った車の説明、ブリヂストンはタイヤの性能の違いをヘッドマウントディスプレイと動くシートを連動した4Dシアターで体感させるなど新しい試みも見受けられた。
実用的な展示が多かったモーターショーから再び夢を語るモーターショーへの転換は、世の中が新しい段階に向かっていることを物語っていると感じた。